高橋俊介さんからオススメいただいた『文明の生態史観』を読んでみたので、紹介したいのであります。
本書は梅棹氏が1955年にアフガニスタン、パキスタン、インドへの学術調査旅行を基に書かれた、文明史観であります。この論文の貢献は、従来までのアジア対ヨーロッパという習慣的な座標軸の中に捉えられていた世界史に新たな視野をもたらした点にあります。
その視座とは「西ヨーロッパ」と「日本」を第一地域、のこりを第二地域とするものです。従来までの世界史の視座では、日本はアジア諸国の一つであると捉え方であったが、梅棹氏は日本をユーラシア東側における唯一の第一地域とし、ユーラシア西側の西欧諸国と並行的に進化してきたと捉えています。特徴として第一地域は封建制の存在と早い時期からの市場経済の発達をあげており、第二地域の特徴として、古くから文明が栄えて専制的帝国を築いたが、封建制を発達させることなく、絶えず遊牧民による破壊的圧力にさらされ続けたことを例にあげています。
この論文が発表された時、多くの反響が各方面からあったそうですが、多くは世界文明の生態史観というより「日本論」として受け止められていたそうな。本人は日本を中心としたナルシズムな文明論を語ったわけでなく、一つの世界史の理論を語ったつもりであったらしいのですが、その受け止められ方は世界での日本の地位を第一地域として高く設定し、論じたものと受け止められていたそうです。
文中には"知識人諸氏の要求にこたえて、今日もまた、わたくしは「日本」を問題にしなければならないのかという憂鬱が、わたくしの心を動揺させているのであります”などと、日本への強い関心と愛情を感じさせぬようしておりますが、梅棹氏の文章は日本への愛と誇りが滲み出ており、味わい深い文章と共に、日本人の心を熱くしたのは想像に難しくありますまい。
というワケで、この本をオススメしたいのであります。
文明の生態史観 (中公文庫)/梅棹 忠夫

¥780
Amazon.co.jp
本書は梅棹氏が1955年にアフガニスタン、パキスタン、インドへの学術調査旅行を基に書かれた、文明史観であります。この論文の貢献は、従来までのアジア対ヨーロッパという習慣的な座標軸の中に捉えられていた世界史に新たな視野をもたらした点にあります。
その視座とは「西ヨーロッパ」と「日本」を第一地域、のこりを第二地域とするものです。従来までの世界史の視座では、日本はアジア諸国の一つであると捉え方であったが、梅棹氏は日本をユーラシア東側における唯一の第一地域とし、ユーラシア西側の西欧諸国と並行的に進化してきたと捉えています。特徴として第一地域は封建制の存在と早い時期からの市場経済の発達をあげており、第二地域の特徴として、古くから文明が栄えて専制的帝国を築いたが、封建制を発達させることなく、絶えず遊牧民による破壊的圧力にさらされ続けたことを例にあげています。
この論文が発表された時、多くの反響が各方面からあったそうですが、多くは世界文明の生態史観というより「日本論」として受け止められていたそうな。本人は日本を中心としたナルシズムな文明論を語ったわけでなく、一つの世界史の理論を語ったつもりであったらしいのですが、その受け止められ方は世界での日本の地位を第一地域として高く設定し、論じたものと受け止められていたそうです。
文中には"知識人諸氏の要求にこたえて、今日もまた、わたくしは「日本」を問題にしなければならないのかという憂鬱が、わたくしの心を動揺させているのであります”などと、日本への強い関心と愛情を感じさせぬようしておりますが、梅棹氏の文章は日本への愛と誇りが滲み出ており、味わい深い文章と共に、日本人の心を熱くしたのは想像に難しくありますまい。
というワケで、この本をオススメしたいのであります。
文明の生態史観 (中公文庫)/梅棹 忠夫

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