ナレッジマネジメント
-イノベーションのための知識の共有と創造-

 近年、「知識」が企業のみならず地域や国家の競争力にとって、極めて重要な資源であるという認識が広まってきている。それに伴い、企業経営の分野における新しい理論・手法の総称あるいはパラダイムとして、「ナレッジマネジメント」が普及・定着してきている。

ナレッジマネジメントは、「知識管理」と「知識経営」とも訳れる。

1.知識管理
ITを活用しながら個人やグループのもつ既存知識の共有・活用を目指す。
2.知識経営
知識管理を超えて、新しい知識の創造を絶えず行うことによって連続的にイノベーションを創出し、組織の競争力を確保しようというもの。

ナレッッジマネジメント運動の原動力のひとつになったのが、日本の学者である野中郁次郎の「The knowledge-Creating Company(知識創造企業)」である。世界的に大きな反響を呼んだ本書で提示された組織的知識層増理論の中核をなすのが「SECI(セキ)モデル」であり、その後に発表された「場」というコンセプトと合わせて、今のところ唯一のナレッジマネジメント理論となっている。

ナレッジマネジメントの実践としては

1.コード化戦略(codification strategy)
知識が注意深くコード化されてデータベースに蓄積され、社員全員が容易にアクセスして利用できるようにする。
2.個人化戦略(personalization strategy)
知識はそれを作り出した人に密着しているので、人と人とが直接合う事によって共有される。

の二つの戦略があり、それらの同時追求は企業業績に悪影響を与える、と論じられた。

しかし、高性能・高価格の社内用データベースを設置して知識の共有を進めながら、一方で人と人の直接対面を重視するコミュニティ・オブ・プラクティスの形成を積極的に進める企業が増えている。
「暗黙知」重視の日本企業は個人化戦略を採ってきたということになろうが、最近は積極的にITを活用し、混合戦略を採っている企業が増えてきている。


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