父はちょうど30年前に大腸癌になった
その時、血液製剤を使用した

退院後、3年経った頃
旅行の帰りに大量の吐血をした
病院から電話が来て駆けつけると吐血が止まらない

処置室から医師が叫ぶ
『こんな海苔巻きの太巻きみたいな吐血は見た事が無い!
苦しいかもしれないけど上を向かないで、下にあるバケツに吐いてくれる?!血圧30‼︎』

意味がわからない
昨日は元気に旅行に出かけたのに…
なのに今は瀕死の状態

胃の静脈からの出血🩸
鼻からバルーンを入れて胃壁を風船で膨らませて吐血しない様に処置された
ストレッチャーは血の海だった 
当時、私は病院で医療事務をしていたので救急車は見慣れていたし出血も見慣れていた
しかし、これが身内になると話は別 
刀で斬られた様な大量の血🩸
ダメかもしれないと思った

いつも便秘なのに急に💩がしたくなった
こんな時に何故急に便意をもよおしたのか?後にわかる

第二次世界大戦でドイツ軍がユダヤ人を強制収容所に列車で移送する際に
ギュウギュウ詰めに集めたユダヤ人を立たせたまま窓のない列車に乗せて
強制収容所に着いて中を開けたら💩まみれだったと本で読んだ
人間は究極の恐怖に陥ると便意をもよおすと書いてあった
その通りだった…父が血まみれ…究極の恐怖だった

病名は
『突発性門脈圧亢進症』
肝硬変になり、胃に静脈瘤が出来てそれが破裂しての大出血だった
原因は
手術時に使用した血液製剤

後に大問題になるが、その時は国もわからなかった
血液製剤を加熱処理をしていなかった為、肝硬変になってしまったのだった
癌を治療したら肝硬変になった
当時癌の種類を問わず手術をした人に
『肝硬変になってない?』
と聞きまわると100%
『肝硬変になった』
と答えが返って来た

何かおかしい?ずっと思っていた
あの時、病院でカルテのコピーを貰っておけばよかった
本当に後悔している
後に血液製剤を使用した病院の一覧が新聞に載っていた
『心当たりのある方は病院に問い合わせる様に』
だけの記載
『何だよ‼︎これ💢』
日本中の外科手術をしている病院は全部該当している

国はズルい
あの時、国も政治家も信用出来ない事を学んだ
何年も経ってから薬害を受けた該当者に最大3600万の補償をするとTV、新聞で騒ぎ出した

父や当時の患者はもうこの世には居なかった
亡くなっていても補償する
但し、カルテがあればの話だ
亡くなっているから最大の金額に該当する

取り敢えず病院に問い合わせる
『カルテは5年で処分している』
と言われた、10年近く経過していた
国に請求出来ない
国はそれを見込んでの事だろう
愛知県の名古屋大学附属病院はそんな昔から電子カルテだった
病院から該当者に連絡して
『国に請求出来ます』
と伝えているとニュースでやっていた
しかも、患者の数が膨大で国への請求の締切に間に合わないから厚生省に締切を延ばす様に問い合わせると言っていた
病院の努力に涙が出そうだった
なのに父の病院はとっくにカルテを棄てていた
父は血液製剤のせいで肝硬変になった事も知らずに死んだ
10年苦しんだ、何回も吐血をして入退院を繰り返した

最後は腹水が溜まってお腹も足もパンパンだった
病院のトイレで転んでそれから立てなくなった
最後は3ヶ月の絶飲食で病院が間違えて夕飯を出した
仕事の帰りに病院に寄ると食べ終わっていた
遅かった、もっと早く病院に着いていたら食べさせなかったのに…
その夜、誤嚥性肺炎で呆気なく逝った、71歳だった

何も悪い事もしてないのに
血液製剤で肝硬変にされ
吐血を繰り返し10年も苦しみ
病院の手違えで食事を出されて殺された

病院を訴えれば良かった
悲しすぎて気付けなかった

犬死だと思った



今日のポイント💣

国や政治家は信用出来ない




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