あるところに住んでいた、人間の三人の娘とその両親の話です
一番上の娘が結婚する時に、母親は言いました
「娘なんてつまんない。お嫁に行っちゃうんだもの」
「三人のうちひとりは、ずっとうちに居て欲しい・・・ってパパも言ってるわ」
やがて、二番目の娘も嫁に行き、それぞれに孫も生まれましたが、
夫達の仕事の都合で、かわいい盛りの孫たちは、
次々と遠くへ引っ越していってしまいました
母親は、残った末の娘を溺愛し、
その手を放さず・・・
末娘は、50歳近くなった今でも無職で未婚です
淋しかったのだろうか・・・迫りくる老いや死が不安だったのだろうか・・・
でも、子供というのは巣立っていくものです
それぞれの人生を自分の足で歩いていくものです
人間の子供と違って、ずっと手を離さなくて良い存在
人間に寄り添ってくれる彼ら動物は、
どれだけ危うい人の心を救ってきたことか
80を過ぎて、ますます頑なになる母親
50近いのに、自分で歩けない末娘
このふたりに何も意見できなくなっている父親
事態は改善しないまま全員がひとつ歳をとり、また一年が過ぎていきます



