開館35周年記念特別展「古代アンデス文明展」2018.5.19〜7.16【山梨県立考古博物館】

 

 

巨大な「ナスカの地上絵」や、インカ帝国の天空都市「マチュピチュ」など、天と地を結ぶかのようなアンデスの遺跡。

人類の到達から16世紀のスペイン人によるインカ帝国の征服まで、ここで花開いた多彩な文化が脈々と繋がって織りなす「古代アンデス文明」。本展は、海岸部と山間部のダイナミックな地形を舞台にした、壮大な文明史とその死生観に迫る展覧会だ。

 

 

神の従者とされる「ネコ科の動物」をはじめ、高山や砂漠でも荷物を運ぶことのできる「リャマ」など、古代アンデス文明の遺物には動物が多く登場する。動物は、身近な存在であると同時に、儀式における神聖さも併せ持つようだ。

 

 

こちらは、クモが描かれた「ナスカ文化」(紀元前200年〜紀元650年頃)の土器。ナスカの地上絵にも登場するクモは、豊穣と関わりのある生き物なのだそう。また、一筆書きのようになっているナスカの地上絵は、人が行進するための入口と出口があるのだとか。

 

 

「ワリ文化」(紀元650年〜1000年頃)の多彩色の土製のコップは、底が尖っていて、飲み干すまで置くことができない構造だ。文化と同時に人々の習慣が垣間見える、土器の杯。

 

 

その色あせることのない美しさに魅了されるのは、高純度の金の器や装飾品だ。「シカン文化」(紀元800年〜1375年頃)で発展した、黄金の存在も見逃せない。

 

 

文字を持たない古代アンデス文明では、「インカ帝国」(紀元15世紀早期〜1572年)の時代でも、情報伝達に使われていたのが、この「キープ」なのだという。紐に結び目を作ることによって情報を記録・伝達していたのだということに驚く。

 

 

本展は、今年2月まで国立科学博物館で開催されていた「古代アンデス文明展」の巡回展でもある。「TBS アンデス・プロジェクト」にはじまる展覧会とのことで、展示室の各章の冒頭では、説明文に代わって映像が導入されているのも特徴的だ。

 

文字を持たない文明だからこそ、深まる謎――。

自分の目と感覚を使いつつ、遺された「モノ」からアンデスの人々に近づいてみたい。

 

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山梨県立考古博物館

山梨県甲府市下曽根町923

https://www.pref.yamanashi.jp/kouko-hak/special/special2018.html

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