そして、バトンは渡された


瀬尾まいこさん原作で、本屋大賞を受賞。

2021年には、永野芽郁さんを主役に迎え、映画化された作品です。


小説も映画も大好きなんだけど、今日の話しはこの骨格である「バトンを渡す」というコンセプト。


還暦を迎える自分は、いくつかのバトンを受け取り、渡してきた経験がある。



まずは家のこと。

四代続く家で、父からバトンを受け取ったのは、父が脳出血で倒れた17年ほど前。


その後、自分はこのバトンをどうやって?だれに繋いでいいのか分からずにきて、今もその悩みの中にいます。



古いながらもそれなりに価値のある土地に建っている家は、娘達に引き継ぐには、負の遺産になることは間違いなく。

自分の代でなんとかしなければならないと悩み続けています。

後を継ぐ意思のある後継ぎがいるのならば、そうならないのだけど。


どうせなら平地にして、土地を売って、マンションに住んだ方が良いことは一目瞭然で、今は改装をしなければ老朽化に対応出来ずにいます。


ただ、90歳になる母を環境がまったく違う場所に住ませることは、かなりの冒険です。


大学時代から把握していたバトンなのだけど、かなり重たくなっています。


大人というのはいつもこんな悩みを抱えて生きているのだと感じます。




もう一つのバトンは、亡き妻から受け継いだ、娘達の成長と独り立ち。


長女5歳、次女3歳の時に、くも膜下出血で急逝した妻。

それから26年、私は妻から受け取ったバトンを、必死に、次に繋ぐことだけを考えて行動してきました。


長女は英語の高校教師、次女は小学校の教師となり、独り立ちすることができました。


こちらのバトンは苦し紛れだけど、つなぐことができた。


後はご先祖我慢から受け継いだ遺産、今では負の遺産になってるこの家を、なんとかすることが私の残された宿命です。


人間というのは、誰しもがこんな責任を持たなければいけないのか?

もっと気楽に生きる方法は無いのか?と感じる今です。