空間デザイナーとして、今年に入ってから新規にオープンさせた店舗や施設は5物件。


今現在抱えているのは、大型物件が2つと中小規模が3つ。

その他2次元的な仕事を含めると20物件くらいは抱えている。


かなりのハイペースで仕事をしているのだけど、

何故か身入りが少ない。


久しぶりにしっかりと帳簿を見て、コストを計算してみると、

コロナ前と比較するならば、30%くらい固定費がアップしていた。

光熱費はもちろん、材料費や印刷費は、大幅にコストアップされていた。


それなのに自分は15年前と同じ価格で仕事をしている。これでは手元に残るお金は少なくなるはず。


コロナや戦争から来る物価高は、実は私にも影響しているのだと実感した。


あまり影響を受けないと思っていたクリエイティブ業界にも、

当たり前に光熱費やエネルギー、様々な値上げが影響してるんだと、今更ながら理解した。


値上げか。

自分のような専門職、技術職も、値上げを考えなければならない時期に来てるんだな。


この30年、日本はデフレ状態で進んできて、

安いものが尊く選ばれてきたけど、

収入も物価も上がらないそんな状況では、 

世界の流れから置いていかれるのは当たり前だった。


世界の物価を見るのに分かりやすい指標に、

ビックマック指標というものがある。


21年6月時点で米国のビッグマックの販売価格は5.65ドルなのに対して日本は3.48ドル(1ドル=112円換算)と、38.4%も安い。


この場合、日本のビッグマック指数は米国に対して「マイナス38.4」ということになる。


これは欧州連合(EU)のマイナス11.1、オーストラリアのマイナス15.2、韓国のマイナス29.2、タイのマイナス31.0より購買力が低いことを示している。

裏を返せば商品を供給する企業の利益はそれだけ押し下げられ、賃上げの余力をそがれることになっているということ。


世界から置いて行かれてしまった日本の現状が分かりやすい。


そしてこれからはコロナで散々使いまくった税金のの、そのツケが増してくることは誰もが察しているところ。


今、勢いがあっても、浮き沈みの激しい資本主義の世界にいるからには、クリエイターという世界に甘んじてはいけないし、

ちゃんと世の中の動きを見ながら経営していく必要があるな。


今日は久しぶりに帳簿を見ながら、そう感じた日でもありました。





最新の依頼は、おばあちゃんが経営する、この店の立て直し。


難しい。

若い人なら冒険させられるのだけど、自分より年上のおばあちゃんのお店を、どうやって繁盛店にするのか?


また難題が課せられる。