初めての方は、ぜひ1話目から読んでいただけると嬉しいです↓
中学を卒業した私たちは、市内の別々の進学校に進んだ。
お互いの高校生活のことはよく知らない。
(結婚した後でも高校時代のことはあまり話すことはなかった)
私の高校時代は、中学からの同級生も多かったため、他の学校に好きな人がいるという噂があっという間に広がった。
そんな中でも、短いながらもお付き合いした人もいたし、それなりの高校生活だったと思う。
彼女はモテているのは伝え聞いていたけど、交際しているような人はいなかったようだ。
別々の高校と言っても同じ市内、距離にしたら5キロぐらいの場所。
学園祭には必ず行き彼女を探したが、いつも見つけられなかった。
しかしブラスバンド部は、必ず大きなホールでの発表会があるので、それは毎年演奏は聴きに行っていた。
こう書くと、時代が今ならストーカーと思われるかもしれないが、
実際には年に一、二度しか会えなかったのだから、そこまでの頻度ではない・・・と思う。
当時、私たちの県は高校野球が弱かったため、県立進学校の私たちの高校でさえ強豪校だった。
3年生の春の大会ではお互いに決勝まで進み、戦った。
彼女はブラスバンド部。
間違いなく応援席で演奏していると思った私は、自分側のスタンドから抜け出し、彼女のいるスタンドに忍び込んだ。
そして必死に応援している彼女の姿を見つけ、遠くで眺めていた。
試合中はさすがに声をかけられなかったのだ。
試合終了後、何気なく声をかけたが、彼女は泣いていた。
彼女の高校は負け、私の高校が勝ったからだ。
記憶が薄いけど、「夏はこれからだよ」と励ましたようなおぼえがある。
しかしその年の夏はお互いに準決勝で敗れた。
そんな細い細い糸のような繋がりだったけど、かろうじて高校時代は繋がっていた。
(妻の所属したブラスバンド部が後に思わぬ絆を紡ぐ)
高校を卒業し、デザイナー志望だった私は、東京の美術大学に進学。
彼女は地元の看護学校に進んだ。
私たちは別々の場所で暮らすことになった。
付き合ったことは一度も無いのだから、こういう言い方はおかしいのだけど、
今度こそ離れ離れになってしまった。
しかし、ある機会をきっかけに再会し、運命が大きく動くことになる。
・・・・3, 出逢い 〜大学時代・再会編〜に続きます。
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