どんな分野でもシンプルな物がウケると思っている。音楽でも、ファッションでも。音楽なら結局わかりやすいJPOPがずっと聞かれてるし、ファッションなら万人に合うものが選ばれる。いかに芸術性が優れているかではなく、いかに多くの人々の手に取られるかが価値になることは往々にあり、今を生きる若者は特に感じているだろう。

価値観が変異し、元は複雑とされていた物がシンプルな、受け入れやすいものとして受け取られることがあると感じている。最近感じていたのは、破滅に向かう、ある種自傷的な生き方、一般的に良いとされる道を外れた人生。そういったものは本来近付き難い物のはずだ。しかし、そういった価値観、人生観を描いた物を好む人が増えている気がした。

この理解し難いような価値観が、シンプルなものとして市民権を得ているのか。そう考えると少し恐ろしくなった。私もこういった価値観で生きる人々を描いた作品を好んでいるが、理解し難いと思うことも多々ある。まあ昔から太宰治の小説が売れているくらいだからそういった物が好きな国民性なのかも知れないが…。

こんな破滅的な価値観が広く受容されるのなら、そりゃ社会も荒れるよなって話。俺も太宰読むしCRYAMYとかハヌマーンとか好きだから人のこと言えないけど。