今現在を生きていて、過去のことを忘れかけていた時、いつも報せは来る。唐突に、突然に。
私は彼のことを忘れかけていたし、記憶に残ってる彼との最後の時間は、喧嘩をしていたと覚えている。それ以降、彼とは話すことも無かった。
そんな私には彼の旅立ちを悲しむ権利も、良い旅路になることを祈る権利もない。
だが、たとえ越権行為になろうとも、私は彼のために祈る。いままで謝る機会すらなかったのだから、今ぐらい祈っても良いはずだ。このまま彼を忘れないために。
良い旅になることを祈っている。
さようなら。また逢う日まで。