よく大人から「これは若い内に読んどけ!」とドヤ顔で鼻息荒く日本文学を勧められると思うが、正直いつ読んだって同じだと思う。こころとか檸檬とか、これら文章の美しさや登場人物の心情推移なんかは成長してからの方が分かるはずだし、中学生が読んでも凄さはわかる。いつ読んだって素晴らしい作品だ。

だが、太宰治の作品は違う。これは間違いなく若者の文学だ。厨二病と呼ばれようが何と言われようが、青い心を持つ内に読まなくては、太宰の良さはわからないだろう。
作品の内容には極力触れない。その上で語らせてもらうと、若者の発達途上の情緒、狭い視点がなければ、感情移入ができないのだ。斜陽という作品に出てくる「恋と革命」の意味がわかるのは若者だけだ。「太宰が好き」というのが気恥ずかしいのはこういったところにあるのだと思う。皆成長すれば、若かった日々を恥ずかしがるものだから。だからこそ、若者である今のうちに読むべきなのだ。

大人がくだらないと言うことに本気になれるのは今の内だけだ。太宰文学にはそのくだらないことがたくさん詰まっている。太宰を読んでくだらないことに本気になろう。その方が楽しいから。そして人間失格を読んで、こんなくだらないことで悩んでる彼は間違いなく人間、だなんてつまらない感想を言うようなやつにはならないでくれ。

好きなあまり雑多で拙い文章になってしまった。ごめん。でも読んで。お伽草子とかならとっつきやすいから。読んで。お願い。