闘病経過の記録(2017年11月27日) | 聴神経腫瘍ありのまま闘病記(男性)

聴神経腫瘍ありのまま闘病記(男性)

2017年11月、腫瘍摘出手術(開頭手術)を受けました。
手術は成功。でも本当の闘病は手術後から始まりました。
そんな私の折々の出来事を綴ります。

いよいよ手術です。

 

手術は10時間。時間だけでいえば大手術?でも予定どおりです。

 

実は手術を決める際に、聴力温存を優先するか腫瘍全摘を優先する

かを訊かれました。

その際、悩んだ挙句、腫瘍の全摘を強く希望したので、主治医の先生

が十分な手術時間を確保できるこの日(11月27日)に決まったのです。

 

(結果、失聴した片耳の現実にショックを受けて後悔したのですが、

 全摘を優先すると判断したこと自体は後悔していません)

 

08:00過ぎ

 家族(家内)が病室に到着。

 看護師さんから一日の流れの説明を受けました。
 その合い間に主治医の先生が「先に手術室に行ってるよ~」と

 挨拶に来ました。

 

08:30頃

 家内は待合い室へ移動し、自分も徒歩+エレベータで手術室へ

 移動しました。

 一旦、手術室手前の待機室に入り、術前の最終確認と手続きを

 行いました。待機室の奥には沢山の手術室があるらしく、数人の

 患者さんが待機していました。

 そこでは看護師さんがテキパキ動き回り、最終確認/手続きを終えた

 患者さん達を順番に手術室へ送り出していました。

 手術室へ向かう廊下の自動ドアから、患者さんが徒歩で入って行く

 のを見て「TVドラマで観る病院の手術室とは全然違うなぁ」と思い

 ました。

 

09:00過ぎ

 自分の順番が来たのでいくつかあるうちの1つの手術室に向かい

 ました。もちろん徒歩です(笑)

 手術室に入ると、さらなる驚きがありました。

 テニスコートくらいの広さの部屋の真ん中に、TVドラマの町工場の

 シーンに出てきそうなモスグリーン(orグレー)大型旋盤機みたいな

 装置が1台だけ置いてありました。

 周囲は壁際までガランとしていて医療機器らしいものはありません。

 手術シーンにありがちのモニター類も一切見当たりませんでした。

 「ここは何かの倉庫か修理工場ですかぁ?」そう思ってしまいました。

 そして最後、何よりも驚いたのが手術台です。

 これがベットじゃなかったんです。

 点で支える無圧布団(↓コレです)をいろいろ組合わせてもので

 作られていました。

 すごく小さい(狭い)上に、ふわふわしていて、とても不安定でした。

 

手術開始(多分09:15頃)

 不安定な手術台に座り、術衣に着替えた後、横になりました。

 主治医の先生、看護師さんは「さーてはじめるよ~」的な気さくな

 雰囲気で良い意味で緊迫感ゼロ。それでも、いよいよかと周囲を

 見回したところで、目に入ったのは頭上の渦巻き状に沢山のLEDが

 配置された手術灯。何から何までイメージしていた状況とは違って

 いて、ホントにここで手術するんですかぁ~って思いました。

 その後、口にマスクを当てられて深呼吸を始め、1分足らずで目が

 回り、ふわふわしたところで(吸気麻酔が効いてきた)、あっという間

 に意識が遠ざかり、「はい。血管投入麻酔始めて...」というような意味

 のことが聞こえたのが最後でした。

 

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手術終了(多分19:00頃)

 19:30に待合い室の家内に手術が終わったと連絡が入ったそうです。

 そして主治医の先生から

  ① 聴神経と顔面神経に腫瘍がベッタリ纏わりついた状態だった。

  ② 腫瘍は丁寧にとったので顕微鏡レベルで残っていない。
  ③ 聴神経線維は残せたが聴力の回復は難しいかも。
  ④ 顔面神経は麻痺が出てくるが一時的な障害なので回復する。

 と説明があったそうです。

 

20:00過ぎ

 ICUで主治医の先生に声を掛けられ覚醒。家内と面会。

 意識は朦朧として右耳は全く何も聞こえない状態でしたが、家内の

 顔を見て「無事終わったんだな~」と思うと同時に、12時間も病院で

 待機してくれていた家内に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 ※家族は本当にありがたいです。

 

 その後、10分ほどで主治医の先生と家内が退出し、徐々に意識が

 はっきりしてくると…やって来ました!

 色んな方が一様に「一番の辛い」と言われていたICUの一晩が...

 

 以下、入院当時に書き綴ったメモをそのまま転載します。

 

  【身体状態】

   管だらけで、ほとんど身動きできず。。。

    ・両腕に点滴
    ・鼻から気管支まで人工呼吸器用の管
    ・頭部ドレン
    ・尿管ドレン

   (痛み※辛い順)

    ① 頭痛:

      酷い疼痛。

      2度と飲まないと一瞬だけ思った人生で一番やらかした

      飲み会の翌日の二日酔いと同じくらい痛い。
    ②床擦?:

      左脇からみぞおちにかけて骨が折れているんじゃないかと

      思うくらいの激痛。
    ③腰痛:

      腰そのものが痛い。とにかく痛い。

      腰の下にクッションをいれても何しても痛みは緩和されず。

    ④人工呼吸器用の管:

      鼻の奥や、喉に違和感。ひりひりする。
    ☆開頭部の切傷などは全く痛みを感じなかった。

 

  【心理状態】
   手術後の痛みとかに戦々恐々。

   朝まで寝てしまえることを切に願った。
   でも、、、ずっとウトウトしている感じで寝れなかった。

   時折りチェックしにくる看護師さんに時間を訊くと1時間も

   過ぎていないという残念な感じ。とにかく朝までが長かった。

   普通の3倍くらい時間の進みが遅い。。。

 

手術よりも術後が辛い一日でした。