名に体を合わせろ! | Papanity Life <パパ二ティーライフ>

名に体を合わせろ!


Papanity Life <パパ二ティーライフ>-うまれたて6

 名は体を表すというが、産まれたばかりの我が子を見ていると、どう見ても『うらら』という顔ではない。小ブタか小猿かはたまたガッツ石松にしか見えないのだ。そう言えば女子プロレスラーのアジャコングの本名も『江里花』という可愛らしい名前だったのを思い出した。
 産まれる半年も前から名前は決めるものではない。産まれて顔を見てから決めるべきだったと、その時はじめて後悔した。幸いまだ出生届は出していないので、いっそのこと『花子』とか、そのくらい古風でうけを狙ったような名前にした方が、この子のためかも知れないと思った。しかし、まだこの子の人生は始まったばかりだ。諦めるのは早すぎやしないか? 何とかこの子には『うらら』という名前に向かって生きて貰うしかない。そう思い、気が変わらないうちに早々と出生届を提出した。
 親戚や妻の友人たちが、お見舞いに来るたんびに、我が子うららを見て「わーかわいい」などと口々に言っていたが私は思った。そんなの社交辞令に決まっている。病室を出た途端に「あの子、かわいそーきっと奥さんに似たのねー」などと態度を一変させているのだと…。
 そして私は新生児室を眺めては、突然我が子が可愛くなっていることを願った。