百田尚樹の風の中のマリアを読みました.
この方の本ははじめてでしたが,大変面白くて,出張帰りの移動中にあっという間に読み終えますた.
あ,コムギみたいになってしまった.
一匹のワーカーオオスズメバチの一生を描いた作品でした.
虫が色々考えて,色々な会話をしますが,その根拠のほとんどが不透明でないため,しっくりきて良いです.
強い一族と子孫を作るという生き物としての基本のためだけに全てを注ぐその姿は,人間にはない見習うべきことが沢山あったように思います.
そして,組織の中の自分の立ち場をしっかり理解していて,明確な目的のもとできっちり仕事をこなして素晴らしい.
...
というようにも見えますが,単に個体としてのプログラムが実行されているだけなのでしょう.
極めて冷酷な所やすぐに考えることをやめるところからそんな印象を強く受けますが,一方でそれらを邪魔しないで時折みせる人間的な感覚が相まっていて,とても面白く読めます.
スズメバチの一生が,こんなに短く,一生懸命だとは知りませんでした...
プログラムだと考えると一生懸命ではないんだろうな.
スズメバチの生存競争が,思っていたより熾烈でした.
良いと信じるゲノムが後世に残る確率にのみ基づいた行動があるという所が面白かったです.
人間社会で同じことやると大変なことになるんだろうな.
産まれていきなりカマキリの形をしているカマキリの,大変さが伝わりました.
間柴と宮田の対決を見ているようでした.
西洋ミツバチに対する日本ミツバチの対応のお話しはうけました.
やっぱり一瞬だけを見ていくとただのプログラム再生機なんですね.
学習はどれくらいかかるのでしょう.
メルエムの学習能力は半端ないなと思いだしました.
1年前,朝,職場でエレベーターを待っていたら,突然手首をスズメバチに刺されました.
節電で辺りが暗くて種類までは分かりませんでしたが,この本の内容からするとあの行動は理解できないし,大変迷惑な話です.
想像するに,あいつはきっと戻れなくなったワーカー.
そしてそいつらの行動にも,まだまだわからないことが沢山あるのでしょう.
単なる憂さばらしで刺してみるとか,誰かとのチキンレースとか.
北海道の我が一族が繁栄しますように.