『CUBE BOOK CARS』の話を続けましょう。
FAMILY EMBLEMSの章では、エンブレムの形の種類について、著者のENZO RIZZO氏は次のようなグループ分けをしている。
1.20世紀前半のラジエーターキャップは芸術的なもので、車や人を事故から守るお守りのようなものであったが、紳士のお屋敷のシンボルのために造られた、そういう類いのものからの生き残りと言えるもの。
メルセデス・ベンツのスリーポインテッド・スター (ダイムラーによるデザイン)
ロールスロイスのスピリット・オブ・エクスタシー (画家・彫刻家のチャールズ・サイクス制作)
2.あらゆる好みにぴったりと合うようなもの。
マセラティの三つ叉矠(やす)
フェラーリの跳ね馬 (フランチェスコ・バラッカによるデザイン)
ポルシェの立ち上がる馬 (シュツットガルト市のシンボル)
BMWの様式化されたプロペラ
シトロエンの二重山形
3.動物王国
ジャガー (ジャガー)
ライオン (プジョー)
馬 (マスタング)
蛇 (アルファロメオ)
飛び立とうとする優雅なコウノトリ (HISPANO SUIZA)
等々。
文章には出てこないが、写真では「コブラ」なんかも見える。
これら1~3は昔日のラジエーターキャップであり、今日のグリルであるが、書物のように車の歴史、発展そして伝説となっていて、シトロエン、プジョー、ロールスロイス、フェッラーリ、ポルシェ、ランツィア、クライスラー、ダイムラー、ブガッティーそしてベントレーは単なる車の名前ではなく、この我が(ヨーロッパ)世界の(それを造った)人とその父である祖先の名でもあるのだ。(127-128ページ)
4.それらに相対するところにある日本の車たち---線の組み合わせ、幾何学的形、そしてエキゾチックなもの(スバルのような)
ホンダ
トヨタ エクリプス
三菱 ダイヤモンド
スバル プレアデス(すばる星座)
以上がINTRODUCTION(序文)に書かれている。日本車の写真はない。
そう言えば、日本には動物のエンブレムはあったっけ?
昔のスバル360は「てんとう虫」と呼ばれたが、あれはVWビートルの小型版のように見えたから、カブトムシより小さいという意味だったのだろう。
エンブレムで、動物なのは、最近のスズキ・ラパンのうさぎか。
ほかにあっただるうか?
ちょっと思い当たらないが・・・
日本では、お正月に獅子舞、これなんかエンブレムにしたらどうなるか・・・
いずれにせよ、国産車のエンブレムは、スバルと三菱ダイヤモンド以外は、ちょっと文字ばかりでよくない。
マツダなんかは一時ロータリーエンジンのマークがあったが、あれを永遠にエンブレムとして残したら、おしゃれだったのになあと思う。ユーノスマークも幾何学的模様で良かったのに。
ホンダはHの文字より、ウイングマークを車にも生かせば良かった。
トヨタは亀山天皇と言われたデザイナーのTマークだから、なんとかなっている。
後は、歴史と伝統を感じさせるエンブレムを無理やり「復活」したと言う形で掘り起こせばよいかも。今から新しいデザインでは歴史がない。
ヨーロッパの伝統のように、日本には武家の「家紋」があるじゃないか。
これなんかは生かせないのかしらんと思うのだが。
この本のISBN : 978-88-544-0315-4
本日は、エンブレムの章を紹介しました。
写真は自分の手を写すことで版権に触れないようにぼやけた一部としました。
それでは、また。
o(^-^)o