『CARS』(CUBE BOOK、 WHITE STAR PUBLISHERS)という、正立方体(サイコロのように真四角)の形をした面白い本を持っている。
街の路上でワゴン売りをしていたものを、何年か前に買ったのだが、ミニカーコレクションの中に埋もれていて、あまりよく見ていなかった。
それをよく見てみたら、とても面白いので、ご紹介しましょう。
(寸法は、一辺約6cmだ。)
この本は、欧米の車の中で愛すべき記念碑とも言うべき車種が、写真と文でぎっしり798ページにわたって綴られている。
著者は、ENZO RIZZOという車関係の編集者、寄稿者。
我が国産車はというと、F1マシンで活躍した2004年のモナコ・グランプリでのHONDA F1カーの写真とドライバーのSATOという文字があった。その他では、写真は無くTOYOTA, MITSUBISHI, NISSAN, SUBARU等が文の中に出てくる。
興味が引かれるのは、「エンブレム」の章だ。
FAMILY EMBLEMSという章ではロールスロイスのエンブレム「スピリット・オブ・エクスタシー」SPIRIT OF ECSTASY 魅惑の、歓喜の妖精というのか、恍惚の精霊というのか、羽を持った美しい女性が飛ぶ姿だ。
こういうエンブレムは、元々はロールスロイスのようにラジエーターキャップの飾りだった。
ポルシェの後脚で立ち上がった馬THE RAMPANT HORSE(フェラーリも跳ね上がった馬THE PRANCING HORSEだ)や、ベンツのスリーポインテッド・スターバッヂや、BMWのプロペラマークなどのカーバッヂの形も生み出していく。
こういったエンブレムや、カーバッヂこそが車の名前もさることながら、その車の「真の象徴」であると、著者は言っている。
20世紀前半のこれらエンブレムは、芸術作品として存在していたし、実際に芸術家によって作られもした。ロールスロイスのスピリット オブ エクスタシーは有名な芸術家、彫刻家のCHARLES SYKESによって造られたのだ。
現在まで生き残っているそのエンブレムはベンツ、BMW、ポルシェ等のそれである。
そういうエンブレム達を見ていると、その車の歴史、伝統、文化がその中に、あるいはそれと共に息づいていることが実態として感じられるくらいである。
この本を少しずつ、味わいながら紹介していきたいと思うので、本日はこの辺で。
(=⌒▽⌒=)