6年半前、私は次男を出産するために、長男を連れて里帰りをしていた。


母はそのころ民生委員を任され、毎日忙しそうだった。


父の畑も手伝っていたし、とにかくいつもよく動いていた。


今思えば、夏頃から、母も体力が無くなってきたなぁと感じることはあった。


でも、私たちを遊びに連れて行ってくれたり、ご馳走を作ってくれたり、毎日元気に過ごしていた。


10月末、風邪をひいた母が近所の内科に行った。


あまり病院に行きたがらない母だから、余程辛かったのだと思う。


かかりつけ医から「大きな病院にすぐ行くように。入院になるかもしれない」と言われ帰って来て、急いで準備をしてた。


私は臨月に入っていたし、父と母からは家で待っているように言われたけれど、心配で一緒に付き添った。


総合病院は座る場所も無いほどたくさんの診察待ちの人がいた。


診てもらえるまで何時間かかるだろう…。


母は肩で息をして、とても辛そうにしている。


受付の方に、できたら看護師さんに先にみてもらえないか聞いてみた。


母の様子を見て、すぐに看護師さんが来てくださり、血圧や酸素飽和度をはかってくれた。


看護師さんが少し慌てた様子になり、母は車イスに乗せられ、別の部屋に連れて行かれた。


先生がすぐに診てくださり、レントゲンを撮ることになった。


まさかこの後に大変なことになるなんて思ってもいなかった。