ニューヨーク在住の日本人フィルム制作者の音楽を担当する事になり、
彼のご要望でチェロをフィーチャーした曲を書く事になったのは良いのだけど、リサーチの課程で偶然見つけたのが、この素晴らしいチェリストのビデオ。あたしの新たなマエストロだ。
”ウェンシン・ヤン氏” (Wen-Sinn Yang)
ちなみに二つ目のビデオの一曲目の”サラバンド”はベルイマンという映画監督の”鏡の中にあるごとく”(Through a glass darkly 1961)の冒頭で使用されていることでも有名だ。
素晴らしいチェリストを”発見”したのがすごく嬉しくて,思わず二人のチェリストに添付してメールしてしまった。”ねーねーこの人知ってたあ?” ののりの文章で。
多分チェリストの中では知られた人なのであろう。わたしが無知だっただけで。
地味だが良質の録音をしているクラシック音楽のレーベル、
ナクソス(NAXOS)からもCDを出されているし。
今時のミュージシャンらしく、ちゃんとフェースブックにも登録されている。
わたしもお友達申請してみようかしら。どきどき。。。(どこの馬の骨じゃ、怪しい者かも、と思われて、即却下されたらどうしよー。)
ヨーロッパ在住(ドイツ、ミュンヘン市)で主にヨーロッパ圏内で演奏活動されている模様。名前からも推察できるように、台湾系のお家に生まれた。彼自身はヨーロッパ生まれのようだが。
仕事もほったくって何度も聴き入ってしまった。ちなみにわたしはチェロ大好きっ子。
弦楽器としては幅広い音域をほこるチェロ。バイオリンとかぶる音域もある。しかし、おなじ弦楽器で、まったく同じ音域の音を出しても、両者ではすこぶる音色やニュアンスが違う。
わたしはその、バイオリンも出せる高音域のチェロの響きが好き。どすがきいたダークな低音も好き好き。
生まれて初めて弦楽四重奏を書いたときはおいしい旋律はすべてチェロにまわしたもんだ。こういうえこひいきはきっとどの作曲家もやってるに違いない。みんな好き嫌いはあるだろう。あの武満徹様なんかは、なんかのドキュメンタリーで、
”僕はねえ、ケトルドラムとトランペットはきらいなんだよねー”
と大きなお声で断言なさってたし。わたしはしっかり記憶にとどめている。
(でもいいんだろうか、世界の武満ともあろう方が、、武満ファンのケトルドラム好きパーカッション奏者やトランぺッターが泣くだろうに。)
モーツァルトがフルート嫌いだったのも有名らしい。といいながら、後世に残るフルートのレパートリーをちゃんと書いているのもプロだな。
”なにやってんでい、早くしねいかい!”
(三十郎の三船敏郎様の声をあててください。)
というあたしのアルターエゴか、理性の声が聞こえてきそうだ。ちゃんとお仕事しなくては。ブログを書いてるところではないですな。
”何やってんでい、早くしねいかい!”
しかしなんですな、ロストロポービッチ様といい、マ様といい、男性チェリストにはあるメディアで揶揄されたように、
かくも”銀行員系”(あるいはプロフェッサ系、かくいうヤン氏もある音楽院でプロフェッサーをされている模様)の感じの人が多いのはなぜなんだろう。