俳優、岩佐麻里子
わたしのブログで何回かご紹介したまりこさん、
最近、ニューヨークのオフブロードウェイ演劇フェスティバル ”Frigid festival"
に出演したところ。
(二月下旬から三月初めまで)忙しいスケジュールの合間を縫って、やっと会う事が出来た。
これは彼女へのインタビュー紙上再録。彼女の演技への熱い思いをお伝えできるといいのだが。
彼女が出演した劇のタイトルは”Rabbit Island"
役者は総勢6名。日本人俳優は彼女ただ一人。
ラビット アイランドとは、ニューヨーク地区にある、庶民的な遊園地で
有名なコニーアイランドの俗称。ホットドッグ早食い大会でも有名。
ニューヨークに住むカナダ人の主人公、アレックスは、アメリカ人の彼女との
関係や、自分がニューヨーカーに成れてないのではないか、という疎外感に
悩み、カウンセリングに通う日々、そこに彼を狙う第二の女の出現、
そして彼の業のつよい心理カウンセラーもからみ、いっきょに人間関係は
複雑に。。
まりこさんは、男優とペアで、台詞無しでマイムをしたり、通行人の役割
を果たしたり、表情や仕草で、他のキャラクター達の心理描写を
暗示するような、一種狂言まわしのような重要な役を演じた。
ここからインタビューです。ニューヨークのダウンタウンの、ホールフーズにて執り行われました。
(オーガニックを中心とした巨大なスーパー。上階に、セルフサービスで食事する場所もある。)
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私:今日はお忙しい所ありがとう、あ、きょうはネクタイとかして、決めてるじゃない。いつもこんな感じ?
ま:ここに来るまでに、BMCC( Borough of Manhattan Community College: マンハッタンにある、二年制コミュニティーカレッジの一つ)
で、クラウン(CLOWN, ピエロと同義)のワークショップがあってね、講師として教えてたのよ。それで、こんな格好がいいかな、と思って。
私:すごー。プロフェッサーじゃん。
ま:まーね。
私:今日はわたしがごちそうしちゃう。コーヒー? カップケーキも食べる?
ま:ありがとー。悪いねー。
<コーヒー売り場のカウンターで、抹茶を思わせるパステルグリーンのクリームの乗ったカップケーキを発見、(実はペパーミント味)春めいた色なので、うれしくてつい買って来る私。>
私:みて、抹茶のカップケーキよ、素敵でしょう。
ま:よいねー、新製品かな。(少し食べて)なによー、ぜんぜん抹茶の味しないじゃんよー。
私:へへへ、じつはペパーミントでした。
ま:本当にもー、人をからかって。。
<落ち着いたところで、質問をきり出す私。>
私:出身地聞いてもいい? 大学はたしか日大だったよね。
ま:うん。神奈川県、川崎市。大学は日本大学、芸術学部、演劇学科。
私:芸術系のコースが充実してて、有名な大学だよね。大学生活はどうだった?
ま:テンション高くて、個性的な人が多かったよ。
学校の中にちゃんとした劇場があってね、そこで、何回も本格的な演劇公演をやったりした。
全部学生でやるんだよ。俳優は演劇科の学生、演出は演出専攻の学生、ていうふうに。
私:アメリカでは演劇が専攻できる大学はいっぱいあって、全然珍しくないんだけど、
共通してるのは、ほとんどの演劇科では、シェークスピアを基本トレーニングとして学ぶらしいのよね。日本ではどうだった?
ま:言葉が違うせいかもしれないけど、必須科目としてはなかったね。選択で、シェークスピアの授業はあったけど。
でも、演劇の基本ではあるから、演劇を学ぼうとしてる人には、翻訳ものでもいいから、シェークスピアの勉強をお薦めするね。
私:基礎的なクラスでは他にどんなものがあったの?
ま:演技の基礎として、スタニスラフスキー(1863~1938 ロシア、ソ連の俳優、演出家)のメソッドとかやったね。
即興で、ストーリーを作って演じたりとか。
私:映画の演技とかは興味なかった?
ま:あるよ。でも学校でははじめから専攻が分かれてるの。舞台演技は演劇学科、映画の方は映画学科の演技コースというふうに。
同じ演技でも、映画と舞台とでは違うんだよね。
映画では、リアリティーを要求されるし、舞台では、お客さんによく見えるように、舞台独特の空間の使い方したり、発声も違うし。
でも、映画も機会があればやってみたいな。
私:日大以前はどんな事やってたの?演劇に通じるような習い事とか。
ま:タップ、ジャズダンス、ミュージカルシアターダンスとか。ミュージカルシアターダンスは中三からやってた。
バレエは週一から週三やってたよ、小学校三年から五年まで。バレエはあらゆるダンスの基礎だからね。
小学校の頃は、芸能人になるのが夢だった。
ーーつづく
