11月最後の休日、万代シティ界隈は穏やか。
いつもなら混み合っている付近の駐車場も車の数はまばらだ。
早足でチップと散歩していると
タートルにウィンドブレーカーの身は少し汗ばむ。
ウォーターシャトルのシーズンパスの有効期限も今日が最後。
チップとの水上バスの散歩は来年の春までしばしお休みとなる。
いつもの乗船場から万代を望み、水上バスを待つ。
初冬のこの時季に似つかわしくない強い日差しに
チップの目はショボショボ。
パパの脇でこうしていい子で待っている。
運航会社である信濃川ウォーターシャトルは2隻の水上バスを所有。
船名は「アナスタシア」と「ベアトリス」。いずれも女性の名前だ。
この2隻外観はよく似ているのだが、もう何十回と乗っているパパはエンジン音と乗り心地だけでどちらの船かを言い当てることができる。
今日乗船するのは最初に就航したお姉さんの「アナスタシア」。
いつものようにクルーに「お疲れ様」と声をかけてデッキに乗り込む。
デッキが空いている時は、ここがチップの指定席。
でも、チップは景色を眺めるのが好きだ。
ほどなくパパに抱っこしてもらうことになる。
朱鷺メッセで下船し折り返しの水上バスを待つ間散歩。
対岸の新潟テレビ21では新館の建設中だ。
10分ほどで折り返しの水上バスが来る。
途中萬代橋の下を潜り、万代シティの乗船場で下船。
今シーズンもお世話になったクルー達に「また来年もよろしく」と挨拶を交わしてアナスタシアを見送る。
今年最後のクルーズということもあり、いつもよりも丁寧に見送った。
遠くで最年長のクルーがこちらに向かって手を振る。
パパもそれに応え、来春までのしばしの別れを惜しみつつ手を振った。
信濃川ウォーターシャトルには「シャトル便」と「周遊便」の2種類の運航がある。
シャトル便はみなとぴあとふるさと村の間にある乗船場に停船しながら時間運航する。
周遊便は朱鷺メッセを起点に信濃川を遊覧して再び朱鷺メッセに戻る。
シャトル便を運航している期間フリーで使えるのがシーズンパスだ。
パパはこのシーズンパスを使って専らシャトル便に乗っている。
もう3年間もシーズンパスを買って何回水上バスに乗っただろうか。
これから寒い時季は周遊便だけの運航になるのだが、ペットは暖房のきいた客室に入ることができない。
チップだけを寒風吹きすさぶデッキに残してパパだけ客室に乗るというのもねえ。
そんなことで、チップとの水上バス乗船は来年の春までお休みとなる。
チップがいて、水上バスのクルーたちがいてくれるからこそ、
懲りもせずパパはウォーターシャトルに乗り続けているのである。