グランパの朝顔今年、グランパは朝顔を育てた。実家のあちらこちらに紫色の大きな花をつけた朝顔たちは、彼岸の中日を迎えた今でも咲いている。最盛期を過ぎて咲く朝顔はどこか物悲しい。「僕たちの季節も終わり」と別れを告げているようにも思える。来年、グランパがこの朝顔の種を植えることはない。彼岸を直前に控えたある秋の日、グランパは逝った。