白鳥の飛来地「瓢湖」から五頭温泉郷と呼ばれているあたりだ。
何の変哲もない鄙びた温泉場が点在しているだけでしかないのだが、
肌を突き刺すような寒さの中で、あたり一面の雪景色を眺めていると、
自分のまわりの空気が、ことのほか澄み切っているように感じられる。
清冽な湧水に心洗われたかのように、引き締まった思いがする。
雪が降る季節、ここはそんな神聖な場所となる。
今は二十四節気の「小雪」を過ぎたばかり。
この時季には、わずかながら雪が降り始めるという。
こうして越後の山々にうっすらと雪が積もっている様子を見ると、
里の冬はもうすぐそこまでやって来ているということを実感させられる。
これから寒気の強まりとともにパパの足が向くようになるはず。
薄暗いうちに家を出て、しばらく水墨画の世界に同化するのだ。
今日は本格的な冬にはひと足早いのだが、
幸い天気も良かったので、チップを連れてこのあたりを訪れてみた。

五頭連峰にはうっすらと雪が積もっている。岩瀬の清水付近から撮影。
村杉温泉にある「川上とうふ」。色々な種類の豆腐があり店頭で試食もできる。
「おから」はたっぷりと無料でお持ち帰りできる。早い者勝ち。

瓢湖から出湯温泉へ向かう道の途中にある「優婆尊」。
由来は8世紀と古く、羽黒の「うばさま」と呼ばれている。
地元では子宝安産祈願で有名。
パパとママの子供たちが授かった時も祈願のため訪れた。
長男が予定日を過ぎてもなかなか生まれてこなかったので、
パパが藁をもすがる心地でお参りした日の深夜無事生まれた。
あれ以来、近くへ訪れる度にお参りしている。
越後三清水のひとつ「岩瀬の清水」。
このあたりは湧水場所が点在しており、
それぞれを地元のみなさんが整備して大切にしている。
「岩瀬の清水」の湧水場所。
今日はパパもポリタンク持参でご覧の通り。
ラムサール条約湿地「瓢湖」。
寒くなると様々な種類の鳥類が飛来しここで越冬する。
白鳥の飛来地といえば聞こえが良いが、
ピーク時はカモ類が水面いっぱいにひしめき合う。
心なしか白鳥は肩身が狭そうになる。
おじさんが鳥たちにエサをやっているところ。
観光客も駐車場のある白鳥会館で買えばエサやりもできる。
保護されていることを鳥たちも知っているのだろうか。
鳥たちには無関心のチップ。
チップには近くで騒ぐ子供たちの方が気にかかる様子だ。
チップには長時間のドライブのせいなのだろう、少しおとなしい。