第5話:初めてもらったバレンタインチョコ | 四十男の恋愛遍歴

四十男の恋愛遍歴

私の恋愛実話です。

時節柄、この話題がいいかなと。

 

小学校1年のときだ。

 

同じクラスだったSさん。

 

幼稚園は一緒ではなかった。小学校に入ってから初めて同じクラスになったわけだ。

 

正直、全然かわいくない。ただ、頭はいい。育ちが良さそうな雰囲気はある。

 

僕が育ったところは、典型的な下町であった。

 

商店街や市場がすぐ近くにある。

 

うちの家の向かいは魚屋で、隣が喫茶店、横向いがスナック、斜めが花屋。

 

そんな環境である。

 

だから、小学校にいる女の子というのも、どちらかといえば商売人や水商売関係の子が多かった。

 

親が会社づとめという子は少なかった。

 

そんな環境にあって、Sさんは、ちょっと雰囲気が違った。ただ、あまり可愛くない。

 

同じクラスになっても、ほとんどしゃべったことはなかった。

 

そのSさんが、2月14日、突然うちにやってきた。彼女のお母さんと一緒に。

 

(なんだろう、俺何か悪いことしたのかな。怒られるのかな。)

 

僕はまだバレンタインということを知らなかったのだ!

 

何か渡されたが、どういうことかわからない。あっけに取られていたはずだ。

 

その時の僕の思考は、なぜか(これは親に言わないほうがいいだろう)と判断した。

 

そして、翌日学校にいったものの、Sさんに何を話していいかわからない。

 

とりあえず普段どおり過ごしていた。

 

そのまま、3月14日もなにもしないまま過ぎた。

 

事の真相がわかったのは、翌年のバレンタインのころであった。

 

(しまった、えらいことをしてしまった!)

 

母に相談したら、一年後になったけど、お返しにいきましょうということになった。

 

確かSさんのお母様にお返しのマシュマロを返したように思う。

 

それからというもの、Sさんに対して妙に意識をしてしまう。

 

でもあまりタイプではないので、特に関わりたいとも思わない。

 

かといって、何も話しないのも変だ・・・そんな風にずいぶん悩んでいたことを覚えている。

 

普通に話ができるようになったのは、小学校5年生くらいだったろうか。

 

1,2年生で同じクラスだったが、3,4年は違うクラスだった。

 

それで5年生でまた同じクラスになった。

 

結局、小学校のときにもらえたチョコレートは、そのSさんからのものだけだった。