弟と母が到着 | 父と娘 

弟と母が到着

少しずつ、事務的な処理が進んできた。

今日は、生命保険のことで連絡があった。たった10日くらいで連絡するなんて、なんかえげつない感じがして気が進まなかったけど、こういうことは早めに終わらせてすっきりしたいのが私の性格だ。

証券を探し出して、受け取り人の名義が子供3人の名前に変更されているのをみて、改めて”お父さん、ありがとう”って心から思った。危なくまた泣いてしまうところだった。


-7月6日-

一晩寝ずに見守っていたが、父の状態は安定していた。

しかし、開いたり閉じたりしていた目が、開きっぱなしになってしまっていた。

目が開いていると、どうしても意識があるように思ってしまう。まぶたを閉じようとしても出来ずにまた開いてしまう。

しばらくして看護士さんが

「ずっと開いてたら失明してしまうから。」

と、濡れたガーゼで目を覆ってくれた。


朝方、私はもう一度仮眠をとろうと試みたが、1時間弱横たわっただけで眠ることができなかった。


弟は、大阪に住む母を途中で拾ってこちらへくるという段取りになっていた。

10時くらいには着きそうだということ。

神奈川から車でぶっ飛ばして帰ってきていた。


私と妹は、弟の到着を待ちわびながら、父の容態が安定しているので、順番に一度家へ帰って、シャワーを浴びたり服を着替えたりしようと決めた。


10時少し前についに弟と母が到着。

弟も夜通しの運転で疲れきっていた。

母は久しぶりの父との対面。

父は母が来てどう思っただろう・・・

「会いたくない」と以前言っていたので、いい気がしなかったかもしれないな。


そしてすぐ、計画通りに私達は順番に家へ帰ることにした。

第一便で、弟の車で私以外が帰宅。

弟と妹は病院へトンボ帰りし、母は自宅待機で、家で行うかもしれない葬儀のために家の掃除。

第二便は、私のみ帰宅。

弟と妹は1時間もしたら戻ってきてくれた。

私もいつ来るともわからないその時のために慌てて一時帰宅した。

血圧は安定していた。

そして、開いたままだった目がいつのまにか閉じることができるようになっていたのだった。