す今回はタイトルをちょっと攻めてみましたが、内容もガーデニングと言うより思想強めの内容になってると思いますので、読んでいてん?と思った方はそっとブラウザを閉じてくださいませ😅


  ​何故か日本人には愛されない

私がすっかり惚れ込んで愛してやまないコルジリネ。

特にフルティコサ系の品種は海外では『Ti plant』と呼ばれて様々な色とりどりの品種が育てられ愛されています。

原種であるフルティコサの出身地の一つであろうタイでも人気があるようで、様々な品種も生み出されています。

また国際コルジリネ協会と言う愛好家が集う組織もありHPには様々な品種が掲載されており、Facebookのコミュニティでは毎日のように盛んに交流がされています。


しかしながら我が国では知名度はほぼ無し。

国内では鉢物としてではなく、ほとんどが切り花の葉物として生産されていますが、『ドラセナ』として扱われ、生産者から園芸業界者まで正しくコルジリネと呼ぶ人はまずいません。

なんせ一大生産地である沖縄ではJAが『ドラセナ』として扱っているので、生産者さんも当然『ドラセナ』。

出荷後もそのまま関東などの市場で『ドラセナ』として卸されていきます。

元々は綺麗な斑の入る素晴らしい品種であっても、名無しの『ドラセナ』として安価で売られています。

生花店で名無しのドラセナとして売られていた…


しかしC.フルティコサとは違い、庭木として流通しているC.オーストラリス系のカラー品種だけは『コルジリネ』として流通しているので一般の園芸ユーザーはコルジリネ=レッドスター系の品種になってます。

(原種のC.オーストラリスは造園屋を主にこれまた青ドラとドラセナ扱いされています…)


一般園芸ユーザーにとってのコルジリネはこれ


  ​コルジリネの魅力    

名前は正しく認知されない、それどころか本来はティが由来の『幸福の木』の栄誉あるネーミングも縁もゆかりもないドラセナ・マッサンゲアナに取られている、そんな不遇の扱いをされているコルジリネですが、ドラセナにはほとんど見られない、カラーリーフとしての実力はコルジリネ特有の物である事を強く主張したいのです。

※ここからは当ブログのお約束、C.フルティコサ系の品種を総じて『ティ』と記載します。


ドラセナで色が美しいのはコンシンネのトラカラーやレインボーぐらいでしょうか。

ソングオブインディアンなどの白い斑入りの品種もありますが、ティにも当然白い斑の入る品種はいくつもあります。

また赤系の品種となると、原種からして赤葉の植物なので品種が生まれやすいのか膨大な数になります。


友人から送られたハワイ、ヒルトンホテルの植栽の写真。 

品種もヒルトンかな…それともリリノエか


またドラセナや赤葉が綺麗なストロマンテなどと違ってティの多くの品種は夏葉と冬葉があり、季節で葉色を楽しむ事が出来ます。

色鮮やかな綺麗な斑入りの葉になるのはほとんどの品種が冬なんです。

紅葉のメカニズムと同じなのかな…?


左:夏葉  右:冬葉


1年中綺麗な斑入りの葉も当然良いんですけど、春から夏は色んな花が楽しめる季節です。

我が南国風ガーデンのメインシーズンでもあり、ウチならハイビスカスやサンパラソル、ピカケにカンナ等々。

ウチにはないけど、プルメリアも楽しめます。


そんな時期には主役はお花達に譲り、自身は地味な葉で控えめに脇役に回り、お花が楽しめない寒い時期に素敵なカラーリーフで楽しませてくれるんです。

とっても優秀な子じゃありません!?

キチンと管理すれば冬に出た綺麗な斑入りの葉も春夏と残す事は出来ると思います。

私は去年白い斑入りのを焦がしてしまいましたが😅


また日光に当てる事で色づく品種もあるようで、正直この辺なかなか奥が深いです。


そして品種数は200種以上とも言われ、赤、ピンク、オレンジ、黄色、白、黒と所謂銅葉と言う言葉では収まらない多彩な色の品種。

そして葉のタイプも細葉、広葉、長短とあり、葉の色と組み合わせて行けばかなりの品種数になるとお分かり頂けるでしょう。

それらを集める事が出来るコレクター性も強い植物です。


それなのになんでここまで人気がない、知られてない植物なんでしょうか。

その辺は次に書いていきましょう。


  ​コルジリネの闇

闇と書くと大袈裟ですが、コルジリネ特にティの負の面を挙げていきましょう。


•葉が痛みやすい

•ハダニが付きやすい

•樹形がユニーク 

•品種名が分かりづらい

•腐りやすい

•安定性がない


ざっとこんな所でしょうか。

まず葉が痛みやすい点ですが、特に葉先が枯れ込みやすいです。

葉先のトラブルは根が原因とよく言われるのですが、これは私にはハッキリとした事は書けませんが、最後の腐りやすいに関係してるかも…


それとティを外で楽しんでいるとよく分かるのですが、風で簡単に葉先が裂けたりもします。

葉が薄いですからねぇ。


オキナワヤシパーク内のティ。全体的に綺麗だけど、一部葉先が枯れこんでいます。


そして次のハダニですが、室内だと他の観葉植物にもよく付く害虫ですが、外に置いていても付く事があり、そのまま室内に入れて大繁殖!

と言う事があり、株が小さいとそのまま弱って枯れてしまう事がありました。 

たかがハダニですが、甘く見てはいけません。

室内で腰水管理していると、実はハダニの被害は出づらいんです。

しかし一般的な用土が乾いたら水やりをしてる株はテキメンに被害が分かります。

乾燥させるとハダニが付くとよく言いますが、腰水管理してても付く時は付きます。

ただ分かりづらいのです。


そして次の樹形がユニークと言うのは欠点でありティの魅力でもあるのですが、どうしても観葉植物業界的には背が高い大鉢の物であっても下から上まで葉が沢山付いている物が見栄え良くゴージャスと捉えられてるようです。


しかしコルジリネ類は基本的にヤシの木のように木の上部に葉が茂り、下葉は成長と共に抜けていきます。

そうなると観葉植物業界的には貧相と捉えられてしまうのです。


このぐらいのサイズ感だとまだ許容範囲かな


極端な例ですが、本来はこうなりますね


本来の樹形を敬遠され大小合わせて詰め込む…


そして出来たのが『ヒロバドラセナ』と言う大鉢の商品です。

ハワイでKīと呼ばれるC.フルティコサ•ティの背の高い株と低い株を10号鉢などに押し込んで作られます。


しかも葉の量を増やすためにかトップカットされていて分頭され、何本も詰め込みさらにそこに背丈の低い株を入れているので、素晴らしい大きく広い葉もぎゅうぎゅうで綺麗に広がれていません。

そんな姿の物を見てハワイが大好きでKīも好きな方ですら、Kīとは違う物と思ってしまうほどの全体像になっています。

しかし、園芸業界的にはこれが良しとされてる訳です。

私がYouTubeで色々と勉強させてもらっている、観葉植物レンタルの社長さんは動画でそう言った観葉植物をゴージャスと仰います。

でもそれは本来のティ、Kīの姿ではないんですが、なかなか理解されないようです。

個人的には多分一鉢に3株ぐらいまでにしとかないとダメだと思います。


また10号鉢に実に10本以上の株を詰め込む事で根量域は制限されるし、水も養分も奪い合いになってて生育に良さそうではありませんよね。

そう言った事から全体的に葉が黄色くなって痛むのだの思います。


本来の植物の個性を魅力とユーザーに伝えられない業界が悪いんですが、何にせよユニークな樹形は日本国内では欠点に向く気がしています。

その点、本物を知るフラやレイメキングを嗜まれてる方々は綺麗で立派なKīを育ててる方が多いですね。


もう一つ、欠点であり魅力でもあるのが品種名の分かりづらさです。

これも繰り返しになるのですが季節性の葉色の違い、環境次第で生育状況が全然違くなる植物なので品種名の管理がとても難しいのです。

その為かおそらく同じ品種を地域や国で異なる呼び名が付いているのもあります。

特に赤葉の品種は品種数が多くて分かりづらいのですが、販売店で品種名が分からないのは厄介ですよねぇ。


これは原種のフルティコサかはたまたアイチアカ?


そして次の欠点、『腐りやすい』は特に挿木や水差しで発根させる際に感じた事です。

数多くの素晴らしい品種があると書きましたが、それらを手に入れるには基本的に生花店で花材としての『ドラセナ』を買う事しかありません。

最近は少しづつ鉢物での流通も出て来たし、アイチアカは手に入れやすいかもしれませんが。

(メルカリにはけっこうな数の抜きな苗もありますが)


その根なしの物を発根させる時に冬場などは、根が出る前に腐ってしまう事が度々ありました。

それらは大体幹が細い株でしたが。


無事に発根しても、根をもっと増やすために浸けてると突然腐る事もありました。

原因はよく分からないのですが、出た根もヌルヌルして腐る事が見受けられたのでそう言う性質なのかもしれません。


だから最初の葉先が痛みやすいと言うのも、もしかしたら成長途中の株であっても地中で根が痛んだり腐ったりしてるのが原因かもしれません。


これらの事を総合すると、確かに植物としての安定性に欠けると言わざるを得ないのかもしれません。

花屋さんや園芸店とすれば、在庫の状態で痛んでしまったり、売った後すぐにお客さんクレームもらうような植物は売りたくないのかもしれません。

かの観葉植物レンタルの社長さんからは『弱い!』と連呼される始末でコルジリネ愛好家としてはとても悔しい思いをしています。


  ​コルジリネを可愛がってほしい

しかしそうは言っても本来は生命力の非常に強い植物であり、ポリネシアやハワイでは宗教的に重要されるほどのポテンシャルを持っている植物です。

綺麗に育ててる人は沢山いるし、都内なんかでは地植えで存在感をアピールしてる株もあります。


都内なのに、あれハワイ?


以前はヒロバドラセナなんか『観葉植物の王様』とも言われたぐらいですし、欠点は多いかもしれませんがまた多くの人に愛される植物になってほしいです。


観葉植物は一般的に室内で楽しむ物なので、多くの方はいつまでも買って来た綺麗な状態を望まれるのでしょう。

しかし植物である以上、成長もするし劣化もして行きます。

季節ごとの葉の色、成長に伴う葉の傷みなど、そういった変化を楽しむこそが園芸だと思います。

いつまでも痛まない、新品同様がいいのなら生きている植物ではなくフェイクグリーンで充分です。


またハワイアンを謳うお店って沢山ありますよね、雑貨屋さんに飲食店。 

私も大好きで、『ハワイアン〇〇』と見ただけで、聞いただけで行きたくなります!

でもそのほとんどのお店でロベレニーとなどのヤシは置いててもティは置いてないのが残念です。

是非ティを、出来ればKīを置いてもらえるとより一層ハワイ感が出ると思うのです。


本心は私が沢山生産して、それらのお店に配って回りたいんですねどねー

ハワイに憧れてるしがない労働者なんで…😅


とまぁティを取り巻く国内情勢を書いてみたのですが、確かに贔屓目で見ても商品として扱いづらさは普及しない足枷になると思います。

しかしながらコルジリネの魅力は他の観葉植物では得られない物が多いです。


今はSNSの時代、ちょっと検索すると凄い綺麗なティが出て来ます。

園芸業界も新しい試みとして、沖縄で切花用として生産されているコルジリネを少しづつでも鉢物として取り扱って欲しいと願い今回は終わらせてもらおうと思います。


私の思想強めの長文にお付き合い頂きありがとうございました。