記録が大事! エボルベ、細弁と反転咲き
さて、預かってきた親株はスペーシングして並べます。
そして、これらの個体全部にラベルを立てます。個体識別のためです。
すでに立て終わった状態。なにせ80株程度あるのでかなりの時間がかかります。ラベル書き、画像撮りでほぼ一日がかりの作業です(笑)。
最近は交配をされる方が増えて、専門的、具体的な質問が多くなってきました。
そうなると手の内がばれてくるのですが、特に困ることのないのでご紹介しましょう(笑)。具体的にはこんな感じ。
この個体は交配組み合わせNOは「1」、交配は「オフグレーライトローズ&ブルー極細×グリーニッシュラビット」になります(書きながらラベルに「グレー」が抜けていたことに気付きました・笑)。
同じ交配で、複数個体拾った場合には、数字やアルファベットを付け加えます。
「オフ」と言うのは大牟田さんが“エボルベ”の基準から外した個体のことです。個人育種の現場ではそのようなオフタイプがでます。花型は基準ではありませんでしたが、色合いはその面影があったので何か展開が出来るのではないかと拾った次第でした。
花粉親は固定はされていませんが、その名とおりの花です。
で、結果がこれ!目的に叶う個体が出ましたので拾いました。エボルベの色合いの表現はかなり難しいのですが、ひとまずこの表現。自分が分かることが大事です。バニーではなくてラビットの方が正解でしたね。
美しい個体だったので「美」、その後には花径(縦)を書いています。この「美」との何か気になる一言が結構、後で参考になります。出来るだけ細かく書くといいのですが、きりがありませんので自分に必要な情報だけで十分です。
この花はすぐに名前が浮かびましたので、「ナオラビッツ」と書き加えています。名前が最初にあるとイメージが固まりやすいです。ただ、浮かばないのに無理に付ける必要はありません。
むろん、全て番号やアルファベットなどの系統番号のみで記載してもかまいません。
ただ、私の場合は数が多いのと、系統番号にすると後で確認するのが面倒なので全てラベルに書きこんでいます。
そして、そのラベルと一緒に花の画像を撮ります。そして、指を添えた画像も一枚撮って置きます。
花だけだとその大きさが伝わりにくいものです。私の指幅は約1.8cmなのでこうすることで大体の花の大きさが分かりますね。
ナオラビッツ
種子親は同じですが、実はそれぞれ花粉親が違います。ですが、似た感じなので同じグループにまとめ、今後姿をまとめていきます。
オフ チェリービーコン変異×チョコレートラビット
上記と同じ花粉親ですが、種子親が違うので、違う感じのバニーに。別系統として選抜します。
そして、かなり前から挑戦していた反転咲きも今回対に辿りついたような気がします!
様々なバードフェイスや反転傾向の個体を繰り返して出た個体。
狙いじゃない交配から出た個体。
やや小型の反転(バードフェイス)なので、これもグルーピングしてまとめていきます。
そして、今回パンジーサイズの反転咲きが出現しました!
反転咲きは撮影が難しいです!大きさも分かりずらいです(笑)
オーララ!
名前がすぐに浮かびました!フランス語で「あらまあ!」と驚いたり感動した時に発する言葉です。
この花を見た途端、まさに「オーララ!」でした!(笑)
大牟田さんの圃場での様子。
これは大牟田さんの‘バードフラッピング’と別の方の反転咲きのシンプルな組み合わせです。別の方の反転咲きは親株には難しいオフタイプでした。かなり出現率が高いです。
反転咲きの特徴を重ねてやっと出る場合もあり、シンプルな組み合わせで簡単に出る場合もある。不思議なものです。
でも、特徴をずっと追い求めてきたことがこのことに繋がっています。そして、それはこれまでの反転咲きをワンランク押し上げたような気もします。令和の反転咲きです!
でもここが到達点ではありません。ここから、後は絞りを加える、フリルを加える作業が待っています。
絞りの反転咲き、フリルの反転咲き、見たいとは思いませんか?
私はそれが見てみたい!それがすべての原点です(笑)。
バードフラッピング×落合系ソフトピンクバタフライ
エボルベの元は見元系と落合系の融合ですが、再び落合系との融合を試みてみました。
また、新たな進化が始まりそうです!(笑)
今回は質問のお答えもプラスして書かせていただきました。熱い内容になっています(笑)。