パンジー・ビオラ育種実践講座、終了しました! | ROKA BLOG

パンジー・ビオラ育種実践講座、終了しました!

昨日は、パンジー・ビオラ育種実践講座に参加していただいてありがとうございました。

 

あいにくの雨でしたが、県外からは鹿児島、熊本、そしてはるばる埼玉からとご参加いただきました。

 

皆さん、とても熱心で関心が高く、講座前から質問が相次ぐほど。

 

女性の方が殆どでしたが、この女性が関わりやすいというのもパンジー・ビオラの育種の魅力かもしれません。

 

現在は別の品目を作っているが、将来的に苗づくりに関わっていきたいという男性の方もいらっしゃって、本当にそうなってほしいと思った次第です。

 

事情により参加出来なかった方から、どんな内容だったのかと聞かれましたので、簡単に概要を。

まずは講義でパンジー・ビオラとはどんな植物かと言う内容。(画像はすべてありまひろこさん提供です)

 

その育成の歴史を踏まえて、よく質問される「パンジーとビオラはどう違うのか?」ということまで説明させていただきました。

 

まずは、人間が作りだした「園芸植物」と言うことが重要で、その違いとは「目的と原種の関わり方の違い」になります。

 

花の改良を目的にパンジーは進化、植栽向きの性質の改善のためにパンジーと再度原種との交配により誕生したのがビオラになります。

 

そして、現在はパンジーとビオラでの交雑が繰り返されてカオスな状態であるという内容でした。

 

平成の時代に日本で誕生した花色、花型の解説をして、実際に展示物を見ての解説です。

丁度、雨は小降りで外に出ることが出来ました。天気が良ければ花色も冴えるのですが、それがちょっと残念。

 

お近くの人は天気のよい日にまた花を見に来てくださるといいかもしれません。(3月8日までの展示です)

 

そして、部屋に戻って実際の交配の体験。

 

ますは個体識別のためのラベル立てから。そして、交配です。

 

皆さん、簡単にマスター。熱中されて交配を続けられるので、こちらの話を聞いてもらえないほどでした(笑)。

 

後は、記録方法、採種保存の方法、種まき方法、選抜のポイント、ネーミング法などを説明させていただきました。

 

最後は、私なりに考える育種とは。

 

植物との共同作業であること。繋がれてきた遺伝子と想いへのリスペクトが必要であること。人と同じものでは価値がないということ。自分にしかできない花がきっとあるので、あなたがやる意味があること。花は進化しているので、そこに参画してほしい等々をお話しさせていただきました。

 

後、その時の参考資料をご紹介!

 

日本のパンジー・ビオラの大御所鈴木章先生が作成された花色、模様と花型の遺伝性についての図表です。(「すみれ・パンジー」鈴木進・鈴木章共著農業図書より引用)

当時(昭和40年ごろ)は固定種がメイン。現在はF1、花色も複雑になってきていますが、原種の色(紫、黄、白)が強く出ることは何ら変わっていません。

図表は優劣のみの表記ですが、講座では結果はどうなるかの話もさせていただきました。

 

パンジー・ビオラに詳しい方であれば、この表を見て「あれっ?」と思われた方もいらっしゃると思います。

 

現在では「ベイン」で分類される模様が、当時は「ストライプ」になっています。

 

昭和の時代は品種数もかなり少なかったために、「ベイン」も「ストライプ」に分類されていました。

 

これらがはっきりと分類(認識)されるようになったのは平成時代からで、この「ベイン」という名称はペチュニアからの引用です。

 

すでにペチュニアでのこの模様の印象があったので、パンジー・ビオラでもすんなりと受け入れられて定着したのでした。

 

と、これらの内容構成で約2時間の講座でした。

 

当日は交配実践のために用意した苗の他に石川園芸さんから提供の苗の配布もあって、ご来場、講座参加の方はとてもラッキーでしたよ!(笑)

ご来場者、講座参加の方々のアンケートや意見を元に、好評であれば展示や講座を次回に続けて行きたいとのこと。その際はまたご参加頂けたら幸いです!

 

お店での作品展から講座まで怒涛の日々でした(笑)。ほっと一息、肩の荷が下りました。

 

ようやく自分の作業に戻れます(笑)。