今日の圃場
今日とは言いながらも17日(月)圃場の様子です。
連日の晴天続きですっかり株も弱りました。
今日は2人の中学生バイトの確保もできたので片づけ開始です。小学生のころから雇っているバイトですが、年々人件費が高くなって大変です。
株を外していきます。どちらも再利用。株は近くの木の根元のマルチング、土は堆肥を入れてパンジー以外のものに使うので集めます。例年以上の量でした。
すでに初夏の日差しの中1日をかけての作業でした。一番圃場がきれいになる時です。
今年の採種分はこれくらい。
「おー、ほほーっ」、あまりの量の多さに白鳥麗子のように毎回笑ってしまいます(汗)。こんなに採ってどーすんのよ?
圃場の片づけは終わりましたが、まだ作業が残っています。採種記録をつけなければなりません。多いとこれが大変、ですが大事な作業です。
それにしても、こんなに交配や採種がうまく出来なかったことはありません。大事な系統が採種出来なかった。絶えてしまった。しまったと思うことはよくあるけれど、こんなに気持ちまでも滅入ることは初めて。
ところで、こんな状況に直面すると必ず思いだす漫画があります。それは江戸人情話の短編集の一話(作者はたぶんやまだ紫さんか杉浦日向子さんじゃないかと思う)。
ある武家の母親と息子が料理屋に入る。ところが、食べ終わった後にどちらも持ち合わせがないことに気付く。
どうしようと、うろたえる息子に母親は毅然とした態度でこう言います。
「逃げましょう」
それでは武士の面目が・・・、そう言う息子を制して
「長いこと商売をやっていれば、こういう試練もあります」
そうして二人は毅然として逃げる…。たったそれだけの話。
面白くて切なくて、なんかちょっと救われる。
物語の武家の母親だったら、何時までもくよくよしている私に毅然とした態度で同じ事を言うでしょう。
この物語を思い出すと気持ちが吹っ切れて元気が出ます。全部失ったわけじゃなし、交配記録もあるんだからやり直せばいいだけのこと、逆にもっといいものができるかもしれない。なんて気持ちになります。
夢咲きヴィオラも2年目。種が採れなかったものは仕方ない。充実、磨き上げることが今は大命題。
これから候補を絞って片山さんと打ち合わせをします。今回はどんなラインナップとなるでしょうか。どうぞご期待ください。
と、言う訳で今年も種子配布(混合)を行います。ご希望の方は70円切手を同封の上、下記住所に申し込んでください。
〒880-2232
宮崎市大字堤内238-1
川越路可 宛
Mottさんやはなにゃんさん、AZAMIさんのところを見ると混合種子からは羨ましいくらい良い花も出ているみたい。
皆さん、今回はこれまでで一番すごい内容ですよ!なんせ、夢咲きヴィオラの系統ですからね。
締め切りは6月末日。発送は整理でき次第、8月の種播きまでには送ります。後、好みのタイプの花(フリル系、ピンク系など)を書いていだければ、余剰分が生じた場合には同封します。
是非ともパンジー・ビオラの魅惑の世界を、種播きの楽しみを体験していただきたいと思います。
どうぞ、皆さんふるって申し込みください。
さて、漫画の物語はそこで終わりなんですが、その後を考えてみました。食い逃げされた料理屋の親父はどうするか。
店を閉めた後の帳場、親父がぶつぶつと文句を言いながら帳簿を付けている。
「全く、とんでもねえ客だ…」
支払簿に「試練代 00文ナリ」と書きこむ。
「高けえよ。そうと分かってりゃ、こっちが踏み倒してやったのに・・・」
親父、またぶつぶつ言いながら帳簿を付け続ける。
「火の用心、さっしゃりましょうー」遠くで夜廻りの声、拍子木の音が響く。
こんな落ちでいかがでしょうか?