今年の交配結果から:チアフルイエローの場合
これが、‘チアフルイエロー’。
花径約1.9cmのレモンイエローの小輪、這い性。初期の交配のため精確な記録がありませんが、イエロービオラ(エローチャーム?)×アルベンシスです。
で、今年の交配結果の一つがこれです。
右から、爽(母株)、交配種、チアフルイエロー(父株)。
‘爽’です。
母株の‘爽’は落合さんから頂いたコーソン系の交配種から選抜中のオリジナル系統。
花型は星咲きでまとまってきていますが、色幅がホワイト~プリムローズ~淡いピンクまでの変異があり、どれもいいので絞りきれません。
ちなみにグリーンを目指している‘わかば’や、撫子咲きの‘金撫子’も元はこの‘爽’と同じ落合さんのコーソン系交配種です。
‘爽’בチアフルイエロー’。
で、交配種がこんな感じ。
‘爽’が小型で柔らかくなって、這い性になりました。作品展用に3株植えになってなっていますので、画像の色目の3パターンは別株ですよ。1株からいろんな花が出ているんじゃありません。
花の比較。
右から‘チアフルイエロー(花径:約1.9cm)’、‘爽×チアフルイエロー(約3.2cm)’、‘爽(約4.2cm)’です。
‘爽’には、バイオレット香があり、それも交配種には遺伝しています。(チアフルイエローは普通の香り)
交配種がバイカラーなのは、チアフルイエローの(顕著ではないですが)バイカラー傾向によるものです。
当初はレモンイエローの単色だったのですが、代を経てバイカラー(上弁が薄くチェンジングブルー)の特徴が出てきました。
交配目的の「爽のように上品な花型で、這い性で、香りのある花」には、まだこの段階では到達していませんが選抜を重ねることで目的に近づけると思っています。
‘チアフルイエロー’בさざなみ’。
這い性のバリエーションを目指した交配です。ちなみに‘さざなみ’は見元さんの品種。
上弁パープルブルー、側唇弁が白からブルーに変わるという花ができましたが、う~ん、インパクトがもう一つ。ひとまずF2の結果を見て見ないと何とも言えません。
‘よく咲くスミレ・マーマーレード’בチアフルイエロー’。
オレンジの小輪、這い性を目指した交配です。でも、後から考えると小輪這い性だったらペニーオレンジを使う方が良かった。
「じゃったぁー(そうだった)」ってことは私もよくあります。で、気付いたら軌道修正すればいいだけのこと。そこで、この交配種とペニーオレンジを交配していきます。
目的に至る道は一つではありません。いくつもの方法があります。それをその時の状況によって組合わせていく。それができるのがパンジー・ビオラの育種の面白みだと思います。
はなにゃんさん、‘チアフルイエロー’を使うとこんな感じになりますよ。参考になりましたでしょうか?(笑)
*チアフルイエローは今のところ販売はありません。今年も種子配布(Mix)を行う予定ですので、ほしい方はその際に明記して申し込んでください。