質問にお答えします3 | ROKA BLOG

質問にお答えします3

いろいろと質問を頂いていますのでお答えしようと思います。


Q、水やりは、発芽して暫くは今までの様にポットの下から水を吸わせる方法で良いですか?
覆土はしなくて良いと書いてあるサイトがあったのですが、した方が発芽しやすいのですか?


A、前回のブログでも書きましたが、発芽したそのあとは腰水をやめます。その後の水やりは底面給水で大丈夫です。本葉がのぞくようになれば葉っぱの上からの灌水で構いません。


覆土をしなくても発芽はするし、もしかするとその方が好光性種子なので発芽率が良いかも知れません。

ただ、固い用土では発根した根が用土に入らず浮きあがってしまうことがあります。浮き上がった根は用土にピンセットなどで穴をあけ入れ込めばいいのですが、その手間が私にはできません。ですので、覆土はその手間を省くためのものとして、また発芽までの保湿として行っています。

私はしたことがないのですが、最初は覆土せずに発芽し始めたら覆土をするって方法もいいかも知れません。


生産者の片山さんにも聞いたところ(セル播き)「覆土はしなくてもいいことになっているが、アリの被害(種を持って行く)があるのと、上からの灌水時に流れてしまうことがあるので覆土をしている」とのこと。ちなみに片山さんはバーミキュライトを使用とのことでした。


Q、色と花の型、草姿ではどれが一番固定しやすいですか?


A、あまりにも漠然として答えに困るのですが・・・(汗)。

極端に言うと、固定しやすいのは一般的に市販されているような品種の形状でしょう。

花型は楕円形、色はパープル、イエロー、ホワイトなど。草姿は普通。極フツーの形状で、何にもしなければ多くはこの花型になってしまいます。


市販されている形状であればそれは選抜、固定を経てきたということなのでこれも固定しやすいでしょう。


逆に固定しにくいもの(出しにくいもの)は、色で言うとオレンジ、クリアレッド、クリアピンク、クリアローズ。

花の形では今までにないもの(夢想編で述べた反転咲きなど)。

フリルとフラット(平面)ではフラットの方が出しにくいです。

草姿では今までにないもの(しだれるものなど。

ともかく、今までにない形状や色パータンは未知数なので難しいと思います。


固定しやすいものを狙うのではなく、今までにないものを作るという追及心が今の日本独自の花型のバリエーションです。

そして、それが個人育種のあり方だと思うし醍醐味だと思います。


Q、今までにない色を作りだす時には、絵の具を混ぜるような感覚でいいですか?


A、それができたらどんなにいいでしょうか!絵の具を混ぜるようにうまくいかないのが現実ですね(笑)。


大まかな傾向では、パープルは他の色との交配では強く影響し、イエローは他の色を消してしまったりします。

アプリコットは明るい色では明るく、暗い色では暗くなるような傾向があります。

また、同じ様な色目に見えても、品種によって遺伝形質が違う場合がありますので、当然結果は違ってきます。一概には言えないのが遺伝です。

とにかくやってみること。実践あるのみ!いろいろ混ぜてみてください。


前に書きました「実践編」や「質問にお答えします」は参考になると思います。


Q、以前、蜂に交配を頼むやり方を読みました。 外にパンジーを植えるにあたって交配させたくないものは、どのくらい離して植えればいいですか?


A、どれくらい離せばいいのか、そういうデーターがあるか調べたのですが見つけることはできませんでした。一つ言えることは離せば離すほど良いということでしょう。


基本的にパンジー・ビオラは虫媒花で交雑してしまうものだということを理解してください。


どうしても交配させたくないものは鉢に植えて隔離するか、開花当初に自分で交配するとかそっちの方に発想を変えられた方がいいですね。あと、外に植えるんであれば防虫ネットを張るとか。鉢やアブが来る環境や、多くの品種が集まった場所では交雑するもんなんです!


人がやる交配はそのイメージの範疇を抜け出せませんが、虫による自然交配は思いもよらないものが出現します。そこから育成した品種も多いものです。


個人育種であるならば、しゃかりきにならずそういう変異を拾い上げて行く方が独創的な作品ができると思いますよ。


なかなかうまく答えることができませんが、よろしければまたご質問をお寄せ下さい。あなたの疑問は育種を始めようとされる方々に共通の疑問だと思います。