「ねぇ、とむ~まだ着かねーの?」
「んー、まだだろうね、他の車両からもなんの連絡もないし」
「ふーん。お、いたっ。くらえ!!」
「ちょっと、優花っ」
「えへへ、ちょっとした眠気覚ましだって。怪物退治してんだからいいじゃん」
「怪物っていっても、私達と同じ人間だったんだよ。そんな言い方よくない」
「・・・へいへい。(バンっ!!)うえ!?な、なに?」
「車傾いてるし、パンクしてたんじゃない?」
「あちゃー、ここら辺は大丈夫そうだし。点検してみるか」
「そうだね。パンクならタイヤ交換しなくちゃね。優子さんに連絡するね」
「大丈夫だって。私がちゃんと十夢の事、守ってあげるから」
「バカじゃないの?(あ、優子さんですか)」
無線機を持った十夢が、呆れた顔をこっちに向けながら、優子さんとやり取りをはじめた
時折、「ふふふ」と笑いながら、優子さんと話す十夢
十夢がもっとも尊敬してる人
いや、十夢だけじゃなく、他の隊員からも尊敬されている
『今日、優子さんに褒められた~』
そういって喜ぶ同期の仲間を、何度か目にした
そういえば、私って優子さんに褒められた事、あったっけ
なんとなくモヤモヤした気持ちになる
「優子さんと佐江さん達がこっちに来るって」
十夢の言葉を聞いて、広めのスペースに車を駐車する
外に出てみると、右の後ろタイヤが見事にパンクしていた
◆◆
「あ~これならすぐに交換できるよ~」
機械に強い佐江さんが腕まくりをしながら、交換準備を始める中
私達はその周りの警護をする
「いいか、絶対必要になるまで銃を使うな。音で集まってしまうからな」
優子さんの言葉にみんなは頷いた
「永尾、ここは頼んだ。あたしはそこら辺を見てくる」
「はい、わかりました」
彩さんが乗ってある車。優子さんに信用され、任されるまりやを横目で見ながら、無意識に舌打ちする
銃の腕なら、私だって自信がある
でも、なんで優子さんは私を褒めてくれないのか
みとめてくれないのか
「優子さん、私も行きます」
優子さんの後をついていく十夢
その背中を見た後、私は銃を構えた
「バンっ」
静かな街に、1発の銃弾が鳴り響いた
