「才加、どうする」
「・・・・・・・」


2人を助けに戻るべきか
いや、状況からして戻るべきだ
けど、才加の答えは意外なものだった


「いや・・・前に進もう」
「才加っ、だけどっ
「優子が、出発する前に言ったんだ」
「え?」
『もし、私が危険な状況になっても、危険を冒してまで、助けようと思うな。目的の為だけに動け』
って。あいつ、行く前からそんな予感してたのかな・・・」


フッと笑って、顔を下にむけた才加


優子と同期で親友の才加
優子達を救助に向かいたい気持ちは、私よりも大きいはず
悔しそうに強く握られた拳が、その気持ちのすべてを語っていた


「たかみなさん、あの二人を助けに行かないんですか」
「見捨てるんですか」
「私を向かわせて下さい」


思い思いに言葉を発するメンバー達

だが


「いや・・・前に進む」


私の言葉に反発の声が多くあがるが、私は、沢山の命を守らなければいけない
メンバーの声を、心がはりさけそうになりながら聞く


「うるせー」


才加の一言で、一瞬で静まり返る


「お前達、何もわかってないな。1番仲間思いの強いあいつが、自分の為に危険を冒してまで、助けに戻ることを願うと思うか?私は、信じてる。あいつはきっと、田野を連れて戻ってくる。・・・見てみろよ、にゃんにゃんを」


みんなが目を向けた先にいるにゃんにゃん


1番苦しいはず
1番心配なはず
なのに、にゃんにゃんも才加と同じように信じているんだ
優子は絶対に戻ると


じっと、来た道を見つめるにゃんにゃんの姿を見たメンバー
もう、誰も何も言わなくなった。


みんな
信じよう

そして、先へ進もう




◆◆◆ (陽菜の気持ち) ◆◆◆ 


佐江ちゃんがすぐに陽菜のとこに来て謝った
でも、佐江ちゃんは悪くないよ
だって、優ちゃんだもん


優しくて
いっつもニコニコしてて
やる事が無茶苦茶で
楽しいことが好きで
“にゃんにゃん、にゃんにゃん”って、うるさくて
陽菜の事が
大好きで

・・・・ゆうちゃん


いつの間にか隣にきた麻里子から渡されたハンカチ


あれ?なんで泣いてる?
ゆうちゃんなら大丈夫だよ?
。。。そうだよね?麻里子?


優しく、陽菜の頭をなでる麻里子の手から、言葉が伝わってくる
『優子は大丈夫だよ』って




ゆうちゃん
陽菜、待ってるね