みんなと離れて1日過ぎた


あれから私と優子さんは安全な場所を確保して、そこにとどまっていた


外は、数えきれないくらいの、ウォーカーが動き回っている



「さてと、これからどうすっかなぁ」
「優子さん・・・優子さんは怖くないんですか?」


呑気に寝そべった優子さんを見てると、ついそんな事を聞いてしまう


「ん?そりゃー怖ぇーに決まってんだろ。死体に囲まれてんだかんな。あはは」
「・・・全然、怖がってるように見えませんよ」
「そっか?でも、ほれ」


そういった後に出された手の平は、震えていた


「大事なモノがあるほど怖いって感じる。でも、その大事なモノを守るために強くもなれる。田野、お前にもあるだろ?」


優子さんに言われて頭に浮かんだのは、笑顔の十夢の顔


死を覚悟してたけど、やぱり嫌だ

もう一度、あの笑顔を見たい




「田野は、夏教官って知ってるか?」
「え?はい、噂で聞いた事があります。鬼教官で何人も除隊者がでたとか」
「あはは、鬼教官か。でもな、すげー教官だったんだぜ」
「はい、優秀な隊員を育てるという事も聞きました。優子さんも夏教官の元で訓練したんですよね」
「そ、ものすげー鬼だったよ。毎日、吐きながら訓練受けてたからな。汗も涙も、沢山流したよ・・・」
「はぁ・・・」


「・・・お前さ、何を焦ってんだ?誰に認められたいんだ?誰に褒めてもらいたいんだ?」
「え?そ、それは」


“優子さん、あなたにです”なんて口がさけても言えない


「あはっ、その顔~図星だったか~」
「う・・・」



「この言葉な・・・あたしが夏教官に言われた言葉なんだよ」
「え!?」



ふっと微笑んだ後、優子さんは窓に近づき遠くを見つめ、言葉を続けた


「あたしは、夏教官に1度も褒められた事がなかった」
「え?優子さんがですか?」
「ははは、あぁ・・・」



そういって優子さんは、懐かしそうに話しだした