「あのバカっ」
だが、バカな行動のおかげで、すべての死体は方向をかえ、私たちは助かった
だけど、このままでいられるわけない
「佐江」
「優子、だめだよ。一人でなんか行かせない。佐江も行く」
やっぱり、あたしの親友だね。全部御見通しですか。でもね
「大丈夫だ。きっと戻ってくる。あのバカを連れてな。佐江は、ここを頼むよ」
「・・・絶対だかんな」
ふてくされたような顔をして、佐江は修理の手を動かした
(笑、この調子じゃ、預かってもらえないかな)
あたしは、車の中に待機していたあっちゃんの元へとむかった
「あっちゃん、お願いがあるんだけど。これ、預かっててもらえないかな」
あたしはそっと首にさげたネックレスをはずした
そこには陽菜とおそろいのリングがかかっている
「優子」
「大丈夫。帰ってくる。でもさ、もしものことがあるしね」
笑顔であっちゃんに手渡すけど
あっちゃんも佐江同様、ちょっと怒った顔をしてそれを受け取ってくれた
「“もしも”なんてないからね」
という、言葉を残して
けどね、あっちゃん
今回はちょっとだけヤバイかもね
そんな弱気な気持ちを、気合いでかき消して
ありったけの笑顔であたしは答えた
「大丈夫、あたしを誰だと思ってんだよ」
