出発してから6時間


暗闇の中には7台のヘッドライトが進む

何事もなければ、2日後には、目的地に着くだろう



「あっちゃん、寝てていいよ」
「ううん、大丈夫。ちゃんと見ておかないと優子、道を間違うし」
「ひどっ。間違う訳ないし。みんなの後をついていけばいいんだからさ」
「ふふふ、でも大丈夫だよ。ありがとう」


助手席に座るあっちゃん、明らかに眠そうな顔をしているのに、運転してるあたしに気をつかって
一生懸命目を開けている様子は、すごく可愛い。・・・・
い、いや、にゃんにゃん?浮気じゃないよ?


動揺するなよあたし。別にヤマシイ気持ちはないもん


「優子さん」
「ひゃ、ひゃい」


急に後ろから永尾に声をかけられて、変な声が出た
助手席のあっちゃんはゲラゲラ笑っているし


「な、なんだ」
「気のせいかもしれませんが」
「ん?どうした?」
「後ろのトラック、距離が開きすぎじゃないかと思って」
「ん~そっか、連絡とってみるか」
「はい」


無線のチャンネルを合わせ、後ろの田野、十夢トラックにつなげる


「えーと、大島でーす」
「あ、はい。武藤です」
「運転大丈夫か?」
「あ、はい?大丈夫ですけど」
「なら、いいけど距離開けないように。しっかり着いてきてね」


「あ、」
「あ?なに?」
「(ほら、優花がいらない事するから)(え?なになに)(もうしっかり運転だけしてよ)(してるじゃん)」

「・・・・おーい」
「あ、は、はい。すいません」
「田野ちゃんがなんだって?」
「あ、あの・・・さっきから優花が歩く死体を撃退しながら、走行してるんです」
「それで遅れてるのか。おい、田野!運転に集中しろ!!」
“は、はい!!!”
「すいません、優子さん」
「頼んだよ、十夢」
「はい」



無線を切り終わって、ふーとため息を吐く


田野は運動神経は申し分なくいいが、無鉄砲なとこがある

そこが奴の弱点になるかもしれない



そんな不安が的中するのは、うっすらと空が明けてきた頃だった