「んっ。。。ゆぅ、こ」
「はぁはぁはぁ・・・あっちゃん」


今夜もあたし達は、愚かな行為をやめられない




まだ息も整ってないのに、脱ぎ捨てられたシャツに手をのばす
細く真っ白な背中を、あたしはベットの中からみつめる


“陽菜はいないから、ゆっくりでも大丈夫だよ“


前にそんな事を言ったら、『落ち着かないから・・・』って答えたっけ


それは、陽菜のにおいがするから?
それとも、さっきから鳴っている携帯のせい?


シャツのボタンをゆっくりと、1つ、1つとめていく
その間、二人の間に言葉はない


自分で終わらせる事が出来ないから

お互いが待っている

この関係を終わらせる言葉を


そして・・・恐れてる

だから、あたしたちは何も言えない。言わないんだ



「・・・じゃぁ・・行くね・・」
「・・・ん」


次の約束なんかしない
いつ終わっても、おかしくない二人の関係


あたしも、あっちゃんも十分解ってる

“このままじゃ、いけない”ということ


解っていても、どうすることも出来ない

お互い、大事な人がいるのに

傷つけているのに
終わらせる事が、出来ないんだ


独り取り残された真っ暗な部屋で
罪悪感に襲われる


陽菜のこと
大事なのに
愛してるのに


それでも

やめられないんだ



◆◆◆◆    ◆◆◆◆



(パタン)

静かな部屋に、携帯をしまう音が鳴り響く


「はぁ・・・」
小さなため息を吐いた、その背中をそっと抱きしめると


「ははっ・・・」っと
乾いた笑いをする彼女


陽菜も、まりちゃんも知ってる
今、ゆうちゃんとあっちゃんが逢っている事を



ゆうちゃんは、あっちゃんを愛してる
あっちゃんも、ゆうちゃんを愛してる


でも


ゆうちゃんは、陽菜のことも愛してるの

それだけでいい


もし、問い詰めて、ゆうちゃんが陽菜を選ばなかったら?
そう考えると怖いの

それならば・・・

これでいい

まりちゃんも、同じ考え



そして、時々こうして、寂しい気持ちを埋めるように
陽菜とまりちゃんは、逢うようになった


陽菜も、まりちゃんもお互い愛してるのは1人だけ
ただ、寂しさを紛らわすために、身体を重ねる


この関係を終わらせる事が出来るのは、お互い1人だけ


そ、愛してるあなただけ




愛してる


ゆうちゃん