着なれないスーツに身を包み、桜満開の門をくぐる


「ほら優子、急がないと入学式始まっちゃう」


誰のせいでこんなギリギリの時間になったんだよ。
なんてツッこみたくなる言葉を飲み込んで、幼馴染のあっちゃんと、今から通い学ぶ大学の入学式場へ急いで向かった


式場入口までくると、同じ様に着なれていない真新しいスーツに身を包んだ人達であふれかえっていた


「なーんだ、走って損した」


外にまだ人が沢山いることに安堵したあっちゃんがブーブー文句を言ってるけど、あたしの目はある一点をとらえて逸らすことが事ができずにいる


式場近くにある桜の木のしたにいる女の人
スラッとした体格、キレイな長い髪、時折みせる笑顔

一瞬であたしは人生初の一目ぼれというのを経験する事になった



「ねぇ優子見て、あの二人すごいキレイ。モデルみたいだね」


うん、あっちゃん、もう見てるよ。


隣の人はあっちゃんに言われるまで気がつかなかったけど、本当に二人ともモデルのように脊が高くて、キレイな顔立ち
なんでもない桜の木ですら、写真撮影のセットの一部にも見えてしまう



「もうそろそろ式場に、お入り下さい」


その声と同時に、式場中へ歩き出す集団
そんな混雑とした集団の中でも、二つだけとびだしている頭


学部ごとにわかれている席へと向かうと、二つ列の前に座る二人の姿
同じ学部だ!
嬉しくて胸がドキドキした



だけど、みるからに接点がなさそうなあたし達
友達にはなれそうも・・・ないかな


少しでいいから話してみたいな

けど、それはちょっと贅沢な望みだから

今は、見れるだけで幸せ



そう思った入学初日