「ね、あっちゃん、見て。見て」
ニコニコしながら優子がチラチラと顔の前で鍵を揺らした
「ん?なにそれ」
「へへーん、隣の部屋の鍵」
「いつの間に・・・」
「まぁまぁ、そんな事よりさ、二人が寝てるとこを脅かしてやろうよ」
ねぇ、ねぇ、なんていって目を輝かせておねだりする優子は・・・
はっきりいって可愛い
この優子のすべてを麻里子は独り占めしてると思うと胸がギュっと苦しくなる
中学の時から、私は優子が好きだった。でも、怖くて告白まではできなかった
ただ側にいるだけで幸せだったから
でも、1年前に、照れながら「付き合う事になった」って、優子と麻里子から報告してもらった時は「やっぱりね」という想いと、「悔しい」って思いがあった。でも、こうして優子の幸せそうな顔をみると、仕方ないなって思いもおこるんだ
だって、大好きな人には幸せになってもらいたいから
そんな私達も3年生になり、明日はバスケ部最後の大会
大会前日泊まることになったホテルで、優子と私は同室になった
時間は0時をまわろうとしていたけど、いたずら好きの優子は麻里子と陽菜のいる部屋へ行こうって言いだして
そっと、優子と部屋を抜け出し、隣の麻里子と陽菜の部屋の前に向かった
えへへへって声を押し殺して笑う優子がおかしくて、吹き出すと、口元に人差し指をあて「静かにっ」て怒られた
(優子の変態おじさん笑いがいけないんじゃないかよ)なんて不満もあるけど、言うとうるさいから黙ってる
音をなるべくたてないように鍵を差し込み、ゆっくりとまわすと音を出すこともなく、ゆっくりとドアがひらいた
相変わらず口元に人差し指をあてながらゆっくり歩む優子を、後ろから微笑ましくみてた
あの声を聞くまでは
