あれから、陽菜なりに考えた


確かに、大島さんはゆうちゃんの魂をうけついでいる
ゆうちゃんは約束を守って、陽菜に会いにきてくれた
そして、陽菜は、その魂をもった大島さんに恋をしたんだ


んじゃ、大島さんがゆうちゃんの魂を受け継いでなければ、惹かれなかった?
それは、陽菜もわからない
でも、今、言える事は、陽菜は大島さんに恋してるって事

ゆうちゃんを忘れたとか、魂をもった大島さんを好きになったとか、そんな事どうでもいいような気がする。簡単に言えば、陽菜は二人のゆうちゃんに恋してるって事。そんな陽菜はよくばりかな


なんか、ゆうちゃんが「へへ、こじぱっ、よくばりだ」って笑ってるように思えた


まだ、大島さんも、みーちゃんも登校しない朝の教室
独り、そんな事を考えて頬を緩めていると、目の前にバサッと新聞が置かれた

フッと顔を上げると、険しい顔のたかみな


「たかみな?おはよ」

陽菜が、朝の挨拶をしても何も答えてくれない
そのかわりに

「それ、読んで」っと静かに言った


新聞なんて、陽菜読まないし。。。。でも、開けられたそのページに目がいった



『運転してた容疑者○○は、酒酔い運転をしていたもよう。追突された車は大きく横転し、乗っていた大島才男(40)その妻、友美(39)敦子(13)が死亡。才男さんの長女優子(15)は意識不明の重体』


手が震えた。読みたくなくても目がその文字を読み取ってしまった


『更に、横転した車に巻き込まれ、半沢優子(15)死亡』


・・・・・・




「なんで・・・」
握ってた新聞の端がぐしゃぐしゃになるくらい手に力がはいる


「私なりに調べたんだ」
「そんなの、そんなの聞いてない。なんで陽菜に見せるの?陽菜が知らなくてもいいことじゃん」

キッとたかみなを睨み付けると

切なそうな顔のたかみながこう言ったの


「ぱるのせいです」
「なんで」
「わたしの気持ち知ってるくせに、優子に似た優子にまた恋をした、ぱるがいけなんだ」
「・・・・・」

「それ読んでも、優子への気持ちは変わらないの?」

「・・・大島さんは悪くないじゃん」
「ほんとに?そう思ってるの?大島さん達の車が優子の命を奪ったのに?」
「悪いのは!大島さんじゃない。悪いのは大島さんの家族も、ゆうちゃんも奪ったこのバカな酔っ払い。だから、もうこれ以上言わないで!誰にも言わないで!
「大島さんにも!」と、言う前に、後ろで鞄が落ちる音がした

ハッと振り向くと、「あたし達の車が・・・」と小さな声で言いながら震える大島さん


「大島さん、大島さん達は悪くないの!」

その言葉が聞こえてたかどうかわからない
だって、大島さんは走って教室から出ていってしまったから


陽菜は大島さんを追いかけた
だけど、鈍足な陽菜の足で大島さんに追いつける訳がなくて
校門をでたとこで完全に見失ってしまった


独り教室に戻ると、まだ陽菜の席の近くにいるたかみな

力なく椅子にすわり
小さくつぶやいた


「たかみななんか大嫌い・・・」




1校時目の授業が終わっても、大島さんが教室に戻ってくることはなかった


いてもたってもいられず、教室を飛び出す
どこを探していいのかなんて全然検討もつかない
でも、陽菜は大島さんを探さなきゃ