去年のクリスマスに 乳がんの告知をされた
もちろんその日は 一睡も眠れなかった
自分は死ぬんだ
なんでわたしが?
何も悪いことしていないのに
落ち着いて考えれば
少しの余裕さえあれば
別に来週死ぬわけではないんだよと
その時の自分に言ってあげたかったと思う
乳がんになることを予感していたわけではないけど
「万一がんになったら がん患者の会に入る」
ずっと前から私はそう決めていた
なので告知の夜 目は涙でいっぱい
頭の中は死の恐怖でいっぱい
隣で眠る子供の顔を見ては 頭を撫でて号泣
そんな中 右手は必死で乳がんの患者会を探してた
スマホは便利だ
泣きながらでも 手は必死に動く
出来るだけ家に近く
定期的に集まりがある団体を探す
そこでこの先どうしたらいいか聞きたい
見つけた
遠慮なくいつでもメールしてとかいてある
もう年末なので年内には集まりがないと知る
少しがっかりしながらも コンタクトを取った
代表の方から翌朝すぐにメールが来た
「年末年始 おつらいでしょう
でも 私たちはみんな元気です
乳がんは治る病気です
年明けすぐ ぜひ来てくださいね
なるべく笑顔で年越ししてくださいね
みんなで待っています」
あったかい
ほんとにあったかい言葉にまた涙が出た
年明けすぐ1週間もたたないうちに訪ねた
そこはとあるクリニックの中だった
時間が早すぎて 代表の方だけがみえた
半ベソをかきながら 今の気持ちを率直に話した
ご自身ももちろん 乳がんサバイバーだ
私よりも2つ年上だ とても綺麗な人
右側全摘 同時再建して10年経った胸を見せてくれた
それは まるでホンモノ
ちゃんと乳首もある どこから見てもホンモノだった
感動して涙が止まらなかった
触ってみたら少しだけかたい
でもやっぱりまるでホンモノなのだ
希望の光が一筋 スーッと見えたのを覚えてる
そのあとも続々と患者の方々がみえた
みんな元気 みんな明るい
その日は10人ほどの参加だったが
これでも半分くらいかなと言っていた
3時間くらい居たかな
部分切除の人 再建しなかった人 再建中の人
抗がん剤治療中の人 ホルモン治療中の人
定期検査の人 いろんな人がいた
でもみんな とても前向きであって
まるで「死」とは無縁なのだ
行くまでは 呼吸もできないほど苦しかったのに
そこから帰る頃には
みんなで美味しいご飯まで食べられた
もちろん笑顔(^-^)
正直 話を聞きたかっただけだ
経験した方々から
この先どうしたらいいのか教えて欲しかっただけ
それなのに
手術する病院も 同時再建することも
全てこの日に決めてきた
私にとって
これが運命の出会いだったと 今も信じている
もちろん 間違ってなどいなかった
手術が終わった今は
コロナの時期と重なってしまったから
本当に残念だけど 患者会はお休みが続く
でも再開したらすぐに行く
今度は 私が 自分の胸を見せる番だから
不安に思って夜も眠れず泣いている人を
少しでも勇気づけてあげたい
おこがましいとは思うけど
まだ胸は 傷だらけだけど
それでもあの夜 もう死ぬのだと信じていたし
心はとっくに死んでいたと思う
そんな私が 患者の会での体験によって
告知からたったの1ヶ月半で
リセットできたのは 今思えば奇跡だ
あの出会いがなければ 結果はまた違ったはず
両親や妹の支え
大事な友達の支え
家族の支え
そして患者会の支え
どれが欠けていても乗り越えられなかった
これからは私が誰かの 支えになりたいと願う
おやすみなさい