アサシンassassinアサッシンとも。)は、暗殺者 、暗殺団、刺客 という意味を指す英単語。語源は、ハシーシュ(大麻 )、差別的に大麻中毒者、ハシシン老人、ハサス(原理)など諸説ある。


元々の意味合いとしては重要な人物を殺害した人物または団体を指す言葉であるが、漫画「ゴルゴ13 」等の影響からか多くの場合、水面下で暗殺 する目標に気づかれないよう密かに活動する意味合いが強い。また歴史の文脈では「the Assassins」は11世紀 から14世紀シリア において十字軍ザンギー朝 など諸勢力間で暗殺をも手段として勢力を築いたイスラム教 シーア派 イスマーイール派 の分派ニザール派 を指すが、これに伴う逸話はほとんど伝説である。同義にassassinator、動詞形にassassinate等がある。また「assassin bug」と言う言葉もあり、これは吸血昆虫のことを指す。近年では映画の題名やゲーム(特にロールプレイングゲーム など)の一職業として使用されることも数多い。現代21世紀 )においては、テロリスト と重なる部分も多い。

タンニン (tannin) とは、植物に由来し、蛋白質アルカロイド 、金属イオンと反応し強く結合して難溶性の を形成する水溶性化合物 の総称であり、植物 界に普遍的に存在している。多数のフェノールヒドロキシ基 を持つ複雑な芳香族 化合物で、蛋白質や他の巨大分子と強固に結合し、複合体を形成しているものもある。分子量としては 500程度の低分子化合物から 20,000 に達する巨大な物まである。タンニン酸と称されることもあるが、その名称で特定の化合物(没食子酸 誘導体で、タンニン様の性質を持つ)を指すこともあるため注意すること。タンニンという名称は「革を鞣す」という意味の英語である "tan" に由来し、本来の意味としては製革に用いる鞣革性を持つ物質のことを指す言葉であった。

フラバノール 骨格を持つ化合物が重合 した縮合型タンニンと、没食子酸エラグ酸 などの芳香族化合物とグルコース などの糖がエステル 結合を形成した加水分解 性タンニンの二つに分類される。

縮合型タンニンとして知られるプロアントシアニジンは、2–50のフラボノイド 単位が炭素-炭素結合を介して重合したもので、加水分解を受けない。

タンニンは特定の性質に対して冠せられる、化合物を分類するための名称である。しかし化学の分野では1990年頃からこのような性質ではなく化学構造で分類した名称を優先することが多くなっており、このためタンニンという名称が用いられる機会は減っている。タンニンの定義に合致するような化学構造上の分類名がないため、より広い範囲にあたるポリフェノール 化合物の一部として呼ばれることが増えている。ただし食品化学などの分野では、便宜上これ以降もタンニンという名称が用いられている。

作用

タンニンは口に入れると強い渋味を感じさせる。これはタンニンが舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して変性させることによると言われている。このようなタンニンによる粘膜の変性作用のことを「収れん作用」と呼ぶ。渋味は厳密には味覚の一種というよりも、このタンパク変性によって生じる痛みや触覚に近い感覚だと言われており、このため渋味のことを収れん味と呼ぶこともある。

タンニンが渋味を感じさせるためにはそのタンニンの水溶性が高く唾液に溶けることが必要である。逆に、縮合タンニンの重合度が増したことなどによって不溶化すると渋味を感じさせなくなる。渋柿 を甘くするために干し柿 にするのは、この効果を狙ってのことである。

タンニンの収れん作用は粘膜からの分泌を抑える働きがあるので、内服することによって止瀉作用や整腸作用があらわれる。このためタンニンを含む植物には薬用植物 として用いられるものが多い。

食物に含まれるタンニン

茶カテキンの構造

茶カテキンの構造

葉に含まれるタンニンとしては、エピカテキン、エピガロカテキンなどのカテキン 類とその没食子酸エステル 誘導体が良く知られる(これらは加水分解性タンニンに分類される)。これらは苦みまたは渋味を示し、茶の葉を用いる嗜好品の中では、その味覚を決める重要な物質とされる。また、紅茶においては水色を決める各種赤色色素(テアフラビンやテアルビジン。これらも縮合型タンニンに分類されるタンニンの一種)の前駆体としても重要である。

これら茶のタンニンの生合成の際、テアニン (アミノ酸の一種、茶に甘味を与える)とエチルアミン の消費で競合する。日射下にある茶樹の中ではテアニンは分解し、そのエチルアミンはタンニン合成にまわる。緑茶生産においては、タンニンによる渋味を抑え、テアニンによる甘味を与えるため、茶樹を遮光下におくこともある。

ワイン

ワイン にはタンニン(多くは縮合型タンニンである)が多く含まれる。

ワインに含まれるタンニンは由来となった部位によりワインの風味に与える影響が異っている。特に赤ワインは醸造中もブドウの果皮や種子(特に後者由来のタンニンは非常に不快な味を持つ)が漬かったままになるため、これらに由来するタンニンが目立つ傾向にある。例えば近代的なワイン醸造所では、ブドウ果汁を作る際、好ましくないタンニンとされる種子由来のものを最小限に留めるため、フリーラン(破砕のみプレスをしない)果汁のみを用いて醸造したワインを造るなど、細心の注意を払っている。タンニンを多く含むオークや木の樽で熟成すると、ワインのタンニンも増加する。

タンニンはワインの熟成において酸化を防ぐという重要な役割を果たし、その高度に重合したものが澱となってビンの底に沈んで行く。

には「柿渋」と呼ばれる1%–2%程度の可溶性タンニン(カキタンニン)が含まれており、強烈な渋味を示す。甘柿あるいは渋抜きをした渋柿(樽柿または干し柿 )では、これらのタンニンが不溶性のものに変化しており、渋味を感じない。

カキタンニンはカテキン類のうちエピカテキン、カテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンガレートが1:1:2:2の比率で12–30分子縮合した分子量15,000程度に達する高分子化合物でデルフィニジン系プロアントシアニジンポリマー、あるいは縮合型タンニンに分類される。未熟バナナ、キャブロマメと並び、青果三強渋味成分とされる。

強力な蛋白質凝固作用を持つことから、清酒清澄剤、防腐剤などに利用される。

失神(しっしん、syncope; シンコピー)とは、大脳皮質全体あるいは脳幹の血流が瞬間的に遮断されることによっておこる一過性の瞬間的な意識 消失発作である。通常は数分で回復し、意識障害などの後遺症を起こすことはない。通常、失神が起こる前に、目の前が真っ暗になる感じや、めまい 感、悪心などがあり、その後顔面蒼白となり、ついに意識が消失する。また、失神の発作は、立っている時に起こることが多い。突然、姿勢維持筋緊張が消失するため外傷 を負うことが多い。ヒステリー によるものの場合は外傷が見られない場合が多い。

似た症候との区別

失神と紛らわしいものにめまい (特に浮遊性めまい)、痙攣意識障害 という症候がある。痙攣との違いは痙攣の場合は失禁や失便が多いのに対して失神ではそれらは稀であること、痙攣の場合は痙攣後意識障害がある場合が多いが失神では見られないこと、また、意識障害や痙攣よりも失神は早期に回復するといった特徴がある。また痙攣の場合は意識消失はするが筋緊張消失せず、逆に特徴的な体動を示す場合が多い。欠神発作というよく似た言葉があるがこれはてんかん であり失神とは全く関係がない。痙攣ならば代謝性アシドーシスがかなりの頻度でみられるが失神ではまずみられない。いずれにせよ注意深い問診(本人だけでなく目撃者も)によってある程度区別することができる。


失神のマネジメント

大脳皮質全体、あるいは脳幹の血流が瞬間的に遮断されるような病態で失神は起こる。頻度としては殆どが循環器疾患 である。脳血管障害 、特にTIA によるものは非常に稀である。これは解剖学 によって説明ができる。大脳皮質全体の血流を遮断するには脳を灌流する4本の血管 (左右の内頚動脈椎骨動脈 )を同時に遮断しなければならない、これは非常に難しい。事実、多くの格闘技 でいわゆる絞め技 でも瞬時に相手を失神させることはできないことから明らかである。例外として脳底動脈 が遮断された場合は失神を起こしえる。失神で特に危険なのは致死的不整脈 、即ち心室細動心室頻拍 が一過性に起こった場合である。致死的不整脈 による失神は本当に瞬時に起こるため受け身 をとることができない。そのため顔面外傷 などの合併をみたら念入りに心疾患を探さなければならない。失神の患者を診る場合は必ず失神の原因検索(大抵は不整脈 が原因なのでまずは心電図 そしてひつようなら不整脈の原因となる心疾患を検索する)と外傷 検索を同時に行うことである。特に頭部打撲ではネックカラー による固定、必要ならばJATECプロトコール にて対処を行う。わずかながら存在する脳血管性の失神の場合は失神後、頭痛麻痺 などの症状が伴う場合が多い。このような神経学的異常や頭部外傷を認める場合は頭部CTも施行する価値はあるがルーチンとしては特に必要ではない。失神後痺れ を訴える患者などでは非常に悩ましい。近年、脳ドック普及などのよって微小梗塞が数多く指摘されるようになり、それに伴いしびれを脳梗塞の前駆症状ととらえるひともいる。しかし基本的に痺れはほとんどの場合は脳血管障害 と関係はないとされている。

重要な情報としては病歴に疼痛悪心下痢吐血下血メレナ などがあるか、バイタルサインの動き、眼瞼結膜の貧血、頸動脈狭窄音、心雑音 、直腸診による便潜血などがある。検査としては一般的な検査のほかにラピチェック、トロップT、D-ダイマーを測定することが望ましい。血液ガスにて代謝性アシドーシス がないということは痙攣 との鑑別となる。


主な失神の原因疾患

失神患者は、救急室受診者の3%を占める。一般の市民を対象としたFramingham Studyによると、26年間に失神歴を有した人は、男性3.0%、女性3.5%であった。失神の原因としては2000年代中盤のデータでは反射性(36~62%)、心原性(10~30%)、起立性(2~24%)、脳血管性(1%)とされている。

心原性失神
心拍出量の減少により脳血流が減って起こす失神。原因疾患は多く、洞不全症候群房室ブロック上室性頻拍心室頻拍心停止大動脈弁狭窄肥大型心筋症急性心筋梗塞ファロー四徴症 ・左房粘液腫 などがある。
血管性失神
急性大動脈解離や腹部大動瘤破裂、肺塞栓症 などでおこる。大動脈解離腹部大動脈瘤 破裂は疼痛 や身体診察などで特徴づけられるが肺塞栓症 の診断はよほどエピソードが特徴的でないと診断が難しい。しかし、肺塞栓症の14%は失神が初発であるというデータもある。もしD-ダイマーの迅速キットがあれば診断は容易になる。急性大動脈解離、静脈血栓塞栓症においてD-ダイマー感度 は100%である。即ち、陰性ならばこれらの疾患をほぼ否定できる。
神経心原性失神
迷走神経反射などとかつては言われていたが、迷走神経 以外の副交感神経 の反射でも起こるので近年は神経心原性とか反射性ということが多い。基本的には失神をおこした状況によって疑いをかける。典型的には徐脈かつ低血圧であり、神経学的異常は認められず、検査によって他の疾患が否定できたときに診断できる。神経心原性失神の場合は点滴のみで改善できる。必要があれば硫酸アトロピン を0.5mg静注してもよい。全体としては交感神経機能の減退や糖尿病 の合併がある高齢者の方が多い。排便時の迷走神経反射、排尿時の仙髄副交感神経反射、咳による舌咽神経 反射、採血の迷走神経反射なども有名である。
血管迷走神経反射性失神
最も頻度が高く、健康人にも起こる。若年者に多い。強い痛みや精神的ショック や情緒的ストレス が誘引となり、交感神経 の活動が亢進、頻脈が起こる一方、静脈床に血液 が貯留する。このため静脈還流量が減少し、逆に副交感神経 が優位となり、血管拡張・徐脈となり、脳血流が低下、失神が起こる。病歴・身体所見には異常を認めない。臥位ではまず起こらない。
起立性低血圧
薬剤やニューロパチー などによる自律神経異常があることが多いが、基礎疾患として糖尿病パーキンソン病 などがあることもある。
頚動脈洞性失神
頚動脈洞が過度に過敏な場合、頚部の刺激によって起こる。ネクタイ を締めたり、後ろを振り向いたりするだけで起こることもある。50歳以上の男性 に多い。頚動脈洞の圧受容器の圧迫によって、副交感神経が興奮し、房室ブロックや洞停止、血管拡張を起こすことによって失神する。
胸腔内圧上昇による失神
遷延する咳発作の持続中や直後にみられる咳失神は、基礎に慢性閉塞性肺疾患 を持つ男性に多い。他に、前立腺肥大症膀胱 通過障害を持つ男性に多い、排尿中や排尿後に起こる排尿失神等がある。
過換気症候群
過換気による動脈血炭酸ガス分圧低下により脳血管の収縮がおこり、そのために脳血流が減少して起こる失神である。めまいを起こすが失神にまでは至らないことが多い。
神経原性失神
椎骨脳底動脈循環不全 や、脳底動脈型片頭痛 でも失神が起こることがある。脳底動脈型片頭痛では、脳幹障害症状や錯乱も見られ、思春期女性 にまれに起こる。
低容量性失神
脱水 や出血があるばあいは起こりえる。いずれも高齢者に多い。出血の場合はメレナ (出血による黒い便)や腹痛 の有無を確認する。


失神患者の予後

失神の患者は重篤な不整脈がある可能性があるので原則としては入院が必要である。但し、神経原性失神、起立性低血圧、飲酒時の失神、心因性失神と診断がついていればそのまま帰すことができる。またこれらの診断のみならば予後が変化することはない(見落としがなければ)。高齢者の場合は入念な精査が必要になる場合もあるので入院を念頭に置いた方が無難である。

失神患者の予後に関して興味深い多変量解析 のデータがある。OESIL risk scoreと呼ばれるものであり、失神を起こした患者のリスク因子について述べている。それによると、65歳以上、既往歴で心疾患、前駆症状なし、心電図異常ありがそれぞれリスクとなり、その数によって生存率が分かれる。該当項目が0個ならば1年後死亡率0%、1個ならば0.8%、2個ならば19.6%、3個ならば34.7%、4個ならば57.1%となっている。