テトリス(Tetris、露 :Тетрис)は、1980年代 末から1990年代 初めにかけ、世界各国で大流行したコンピューターゲーム 。落ち物パズル の元祖である。
概要
元々は旧ソビエト連邦 の科学者アレクセイ・パジトノフ (Алексей Пажитнов、en:Alexey Pajitnov 、英国名 Robert Richard Rutherfurd)等3人が教育用ソフトウェアとして開発した作品である。その後、ライセンス 供給が様々なゲーム制作会社に対してなされ、各種のプラットフォーム 上で乱立する状態になった。
日本では、1988年 にセガ・エンタープライゼス (現・セガ)から発売されたアーケード 版(システム16 版)の人気により浸透した。当時はまだ操作法が確立されていなかったが、このシステム16版の登場以降は同作のものが日本国内に於ける事実上の標準 となり、その功績から特に「セガテトリス」とよく呼ばれる(2000年 にアーケードとドリームキャスト でこれと同名のゲームソフトが発売されているものの、普通は1988年にリリースされたシステム16版を指す場合が多い。この2000年版はよく「新セガテトリス」と呼ばれる)。このアーケード版は現在でも日本各地の多くのゲームセンター で稼動している。
その後、1989年 に任天堂 から発売されたゲームボーイ 版も「いつでもどこでも好きに遊べる」ことと「対戦プレイもできる」という点で大人気となり、国内出荷本数約424万本と、ゲームボーイ最初期の作品ながら、ゲームボーイソフト単体での史上売上1位を記録。湾岸戦争 中には前線の米兵らの間でも空き時間の娯楽として人気があった。
ロシア をイメージしたアニメーション や背景画像(タイトルの聖ワシーリー寺院 、ブラン 、ソユーズ を打ち上げるアニメーションなど)や、ロシア音楽 (トロイカ やカリンカ 、ソビエト連邦国歌 (現・ロシア連邦国歌 )など。コロブチカ はゲームボーイ版のBGMとして有名)をベースにアレンジされたBGM が用いられているものが多いが、全くイメージを切り離しているものも少なくはない。
なお、『テトリス』の持つ数学性、動的性、知名度、並びに実装の平易性から、『テトリス』をゲームプログラミング の練習題材として用いられる例がしばしば見られる。
由来
『テトリス』のゲームルールは、様々な形をしたピースを型にはめていく「箱詰めパズル 」と通称されるパズル (「ペントミノ 」)から着想を得たものである。「テトロミノが上から落ちて重なっていく」というルールは、パジトノフが水族館を訪れたときに、ヒラメが舞い降り海底と同化したり、そのヒラメが砂の上を泳ぐ時に他のヒラメと重ならずに泳いだりする様子を偶然見かけた事から着想を得て考案された。
箱詰めパズルの内、テトロミノ を用いた種類に、リアルタイム性(アクション性、時間推移による落下要素、ステージの方向性など)とゲーム性(列を揃えるとブロックが消滅して下へ詰まる)を加えたものが『テトリス』である。
ルール
- 4つの正方形 を組み合わせて作られた、片面型テトロミノ状のブロックピース(以下の7種、本作ではこれらを「テトリミノ」と呼ぶ)がフィールド上方から1種類ずつ落下してくる。
- テトリミノの名称は#ガイドライン で厳密に定められているわけではないようだが、その形状により、左から以下のような通称で呼ばれることが多い。
- 棒・I形
- 4列消し「テトリス」を決めることのできる唯一のテトリミノ。
- 正方形・O形
- 回転させても形の変わらないテトリミノ。
- 逆Z形・S形
- Z形
- 逆L形・J形
- L形
- T形・凸形
- 古いテトリスでは、2列消しのダブルしかできないが、#ガイドライン 後のテトリスでは、強引な回転入れ(スーパーローテーション)により「T-Spin Triple」を決めることができるのもある。
- プレイヤーは、テトリミノを左右90度単位で4方位に回転させるか、格子単位で左右に移動させるか、高速に(又は瞬時に)落下させるかのいずれかまたはその複合の操作を落下中にすることができる。
- テトリミノがフィールド最下段、または他のブロックの上に着地するか引っ掛かりをすると、そのテトリミノはブロックとしてフィールドに固定される。そして新しいテトリミノがフィールド上方に出現する。
- 格子の任意の1~4段がすべてブロックで埋め尽くされると、その段が消滅し、段数によって以下のように呼ばれ、得点となる。同時に多くの段(通常は最大4段)を消去する程高得点が得られる(特に4段消しを「テトリス」と呼ぶ)。
- 1段消し…シングル
- 2段消し…ダブル
- 3段消し…トリプル
- 4段消し…テトリス
消滅した段の上にあったブロックは、速やかに消えた段数分落下し、同様に新しいテトリミノがフィールド上方に出現する。
棒・L字・逆L字型のテトリミノを用いて1段消し(シングル)を2回同時に決めることもでき、このような消し方はダブルとして扱われる(画像は概略を示したアニメーションGIF
)。(新)セガテトリスではこの消し方をスプリットと呼んでいる。
棒状のテトリミノを用いてシングルとダブルを同時に決めることもでき、このような消し方はトリプルとして扱われる(画像は概略を示したアニメーションGIF)。(新)セガテトリスではこの消し方をワン・ツーと呼んでいる。
- 固定されたブロックがフィールドの最上段まで積み重なるとゲームオーバー となる。
- また、通常は現在操作中のテトリミノの次に落ちてくるテトリミノを予告する欄も表示されている。
- 近年は最低3個まで表示する実装が多い。詳細は後述の#ガイドライン を参照。
- 慣れたプレイヤーはこれを見ることで、続く操作を考えながらプレイすることができる。
- 一部のタイトルでは、次に落ちてくるテトリミノの予告を非表示にすることのできるオプションが実装されているものもある。次のテトリミノがわからないとそれだけ難易度が上がるため、上級者向けのオプションといえる。
パジトノフは、これらのルールから、プレイヤーが以下のような段階を経て次第に高得点を得る方法を学習すると考えた。
- ルール・操作法を理解する段階
- テトリミノを隙間無く並べるようになる段階(回転させない)
- テトリミノを回転させるとどのような形状になるかを予想し、狙って回転させる段階
- 次に落ちてくるテトリミノも見て考える段階
- 高得点を狙い、複数段をまとめて消すことを狙うようになる段階
- 4段消しを狙い、端の1列のみを残して積む段階
実際、多くのプレイヤーはこのように学習しているものと思われる。また、チンパンジー などの類人猿 に『テトリス』を学習させる実験でも、同様の過程でルール学習を行っていることが確認されている。


