喉頭隆起(こうとうりゅうき)は、俗に喉仏(のどぼとけ)とも言い、喉の中間にある甲状軟骨 の突起したところ。英語 Adam's Apple、 フランス語 Pomme d'Adam などキリスト教 圏では「アダム のりんご」という。

男子は思春期 になると喉仏が目立つようになる。


のどぼとけ

喉頭の軟骨

解説

人間の喉頭は、靭帯筋肉 によって結合された軟骨 の枠内に固定されている。正面にあるのが甲状軟骨で、首の前方にかたまりをつくって、喉頭隆起、あるいは、西洋ではより一般的に「#アダムの林檎 」として知られている。

喉頭は思春期の間に、女性よりも男性においてより顕著に成長し、そのため典型的な喉仏は、女性や思春期前の少年少女より成人男性の方がさらに隆起している。この咽頭の成長はまた、十代の少年らの声変わり の原因でもある。

甲状軟骨は、喉頭の骨格(喉頭を含む気管の内外の軟骨構造)を作る9本の軟骨のうち最大のものである。これは2枚の板状の薄片から成り、軟骨の前方で合体し喉頭隆起と呼ばれる隆起を形作る。喉頭隆起は男女ともに明瞭だが、成人男性においていくぶん顕著な傾向がある。咽頭隆起のすぐ上方の甲状軟骨の縁は、甲状軟骨切痕または上甲状切痕と呼ばれている。

甲状軟骨の外側面を構成する2枚の薄片は、気管 の左右それぞれの側を覆って斜めに広がる。各々の薄片の後縁はその下方で、輪状軟骨 とともに、輪状甲状関節 と呼ばれる関節 を形成する。この関節での軟骨の動きは声帯ヒダ の緊張の変化をもたらす。そして、それはさらに声の変化を生じる。甲状軟骨の上縁全体は、甲状舌骨膜 によって舌骨 とつながっている。

甲状軟骨は、そのすぐ後方に位置する喉頭を保護するのに役立つばかりでなく、喉頭の筋肉の付着する場所としても役立っている。

俗称

喉仏(のどぼとけ)

形状が座禅をしている仏様の姿に見えるためとする説があるが、皮膚の上から仏の姿を確認する事はできない。しかし、火葬後の遺骨を見ると甲状軟骨 が焼失し、喉頭隆起のあった位置に残る第二頚椎 が座禅をする仏に見える。


のどぼとけ3

第二頚椎


のどぼとけ2

第二頚椎(横)


アダムの林檎

1913年 版のウェブスターの辞書は、その語句についてこう述べている

「・・・我々の最初の祖先ののどに引っ掛かったという禁断の木の実(林檎)に起因したという概念からそう呼ばれている。」

関連

トランスウーマン(男性の体を持ちながら心は女性である人)らのなかには、喉仏が(彼女らの)欲する以上に隆起したままになっており、喉仏の大きさを整える形成手術 の一つである喉頭隆起削除術 により手直しする者もいる。