父は、昨年の5月に施設へ入所した。
それからずっと
週に1回、差し入れと共に
施設に面会に行っていた。
 
 
 
 
 
父は、機嫌がよいときもあるけど
7割方、つんつんしたり
わがままや嫌みを言ったり
激高したりするので
それをなだめたり笑い飛ばしたり
機嫌を取りながらの面会だった。
 
 
 
 
 
もともと
父は若いときからそういうタイプの人で
訳の分からないことで怒ったりしていたので
わたしは
思春期の頃はほとんど話をすることもなく
就職や結婚のことを相談することもなく
正直、尊敬したことなど一度もなく
だけど、血の繋がった父娘なので
できることはしなければと思っている。
子どもの頃は当然ながら父の稼ぎで暮らしてきたのだから。
 
 
 
 
 
でも、昨日の面会で
上から目線的嫌み連発発言と態度に
とうとう堪忍袋の緒が切れて
もう二度と施設には来ませんと
捨て台詞を残して帰ってきてしまった。
 
 
 
 
 
これまでずっと我慢していたものが
ぷつりと切れてしまった。
 
 
 
 
 
肺が悪いので父は何度も入院したのだけど
そのたびに付き添ったことや
ドライブや食事に連れて行ったことや
わたしなりに親孝行しているつもりの事柄が
報われるどころか
いつもいつも文句を言われることに
疲れてしまった。
 
 
 
 
 
親子だから、法的に縁が切れることはないし
きっとこれからも
施設からの呼び出しや役所での手続きなど
しなければならないことはあるだろうし
わたしもそこまで意固地な気持ちはないけれど
とにかくしばらくは距離を置きたいなと思う。
だから週1回の面会も差し入れもしない。
83歳の老人相手に、おとなげないかも知れないけど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
施設からの帰り道、ひとりでお寿司を食べにいった。
雲丹が美味しかった。