$うにうに-おばあちゃん
連休中に鎌倉に行った。
ものすごい人でごった返してて、バスに乗ったら動かない
いつもなら15分で通れるところが、なんと2時間!!びっくり
途中で降ろしてもらって、トイレに走る女の子もいた

で、隣の女性とお話した
70代半ばだという。
75歳から無料パスをもらえるから
それで一人でどこでも行ってみるという

その日は受験のお孫さんのために
ご利益があるという神社に初めて行くという。
ネットで調べたらしく、プリントアウトした地図を持っていた。

とっても元気でかわいくて、ボケないために
フラダンスをやったり、前向きにいろんな所に行き、
いろんなことをやっているそうだ。

私も年を重ねたら、こんなかわいい女(ひと、おばあちゃんというには失礼な感じ)
になりたいと思った

彼女は先にバスを降りて、神社に向かった。
バスの窓から手を振った
足下に気をつけて。
いつまでもお元気で
神様素敵な出会いに感謝です


そう言えば、昔会った忘れられない女(ひと)を
思い出した。

近所の郵便局に行こうと思って歩いていたら、
郵便局の100メートルくらい手前で、車椅子の人とすれ違った。

私は郵便局で用を済ませて出て来ると、
前方にさっきの車椅子の人がいた。

さっきからたぶん数十メートルしか進んでいない。
目の前に横断歩道があり、彼女はそこを渡るようだった。

私は勇気をもって声をかけた。
「お手伝いしましょうか?」
彼女は笑顔で
「ありがとう。お願いします」

いざ押そうとすると、あれ?うごかない!?
彼女はだいぶ体格がよかった。

手伝うと声をかけておいて、やめるわけにはいかない。
私は渾身の力を振り絞って押した

なんとか車椅子はゆっくりと前に進んだ。
もう必死だった

しかーし!やっと渡りきってほっとしそうになったその時
動いていた車椅子がちっとも動かなくなった

本当に数ミリくらいの段差があって、それが上れない。
嘘でしょ!! まさか
こんなちょっとの段差なのに~~~
車椅子は押しても押してもビクともしないのだ!!

そうしているうちに、信号は点滅し始めた。
まずい!!ひかれちゃうじゃない~~~
お願い!!動いて~~~!!
私は全身で、全てを前へ、車椅子へ集中した
これぞ火事場の馬鹿力

そして、なんとか無事に、段差とも呼べない段差を
乗り越えた。が、ほんのちょっと坂になっていて、
油断すると戻ってきてしまうのを、汗をかきかき
ふんばった

そして、平地に着くと、本当にほっとした

進んだ距離はほんの100メートルくらい。
こんなに大変だなんて。

彼女は毎日どんなに苦労しながら生活しているのかと思うと、
気が遠くなるほどだった。

健常者とは、本当にそれだけで幸せで、楽な毎日なのだ。
そして、ハンディキャップがある人の大変さに
気づいていない事を知った。

彼女は今まで会った人の中で一番熱い、太陽のような笑顔を私にむけて、
今までで一番暖かく熱く、分厚くたくましく、たのもしく
心のこもった力強い握手をくれながら
私に何度も「ありがとう」と言って、
立ち去る私に、いつまでも手を振ってくれた。

神様、ありがとう
全ての事に、ありがとうと
その時も、今も思う出会いだった。