《63》金曜日のNostalgia♯15~T子との出会いと別れ✨ | 別天光戸の徒然音楽日記

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60年代~70年代の、オールドロック~ハードロック、プログレッシブロックが好きです。70年代~80年代の、テクニカル系ロック、ジャズフュージョンも好きです。曜日別にテーマを分けて、音楽に関連付けたブログを、徒然なるままに綴っていきます!



月曜日が目覚める……

Weekday……


水曜日が過ぎゆく……

Seek a way……


金曜日の夜がくる……

Dreams stay


Weekendを前に、わたしは……

ノスタルジックになる……


そう……それが……

金曜日のNostalgia……




🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇

🎇金曜日のNostalgia🎇♯15

~T子との出会いと別れ✨



M子と別れて、彼女を失って初めて……

M子の存在の大きさが、身に凍みた……

一秒一秒の流れが、やけに長く感じられ……

時の刻む音が、わたしの心を突き刺した……




重くのしかかる時は、愚鈍な表情を浮かべ……

空っぽな日々が、数ヶ月過ぎた頃だろうか……

ある夏の夜更けに、わたしは……

ふと、車を運転したくなった……




兄貴が乗っていた、軽のジープを拝借し……

わたしは一人、夜の街へと出掛けた……




一時間ほど経っただろうか、気がつけば……

名古屋の繁華街の、栄まで来てしまった……

よく通っていた、ディスコが入ったビル……

ビル前にある、深夜喫茶が目に入った……




・・・・珈琲でも、飲んで帰ろうか・・・・

わたしは、車を停め中へ入った……

時計を見ると、深夜を回っていた……




店内は、ゲーム喫茶になっており……

深夜なのに、週末のせいか……

店内は、若者で溢れていた……


わたし以外は、一人で来ている者はいない……

と思う中、一人の女性が目に留まった……

・・・おや?・・・一人なのかな?・・・

と、思っていたら……




一人の男性が、彼女に話しかけた……

・・・・彼氏と来ているのか・・・・

と思ったら、その男性は立ち去っていき……

数分後に、別の男性が声を掛けていた……



一人でいる彼女は、目立っていた……

無視をする彼女から、その男性も去った……

少し離れた席に、座っていたわたしは……

意を決して、彼女に声を掛けた……




はじめは、口を閉ざしていた彼女だったが……

話しかけているうちに、徐々に話を始めた……

しばらくしてから、一緒に店を出た……




深夜の街を走りながら、会話が弾んだ……

別れたM子以外の、女性と話すのは……

数年ぶりで、あっただろうか……

彼女が、T子だった……




二十歳過ぎの、OLと思っていたが……

歳を訊くと、何と17歳と言うではないか……

わたしよりも、七歳も年下であった……




二人で一緒に、深夜のファミレスに入り……

お喋りが弾んで、これから……

海へ、日の出を見に行くことになった……




重く苦しかった、時は流れ……

閉ざされた、心の氷も溶け始めた……

そう、わたしはもう……

一人では、なかった……




愛知県の、知多半島にある海岸までは……

車に乗って、数時間かかった……




結局……

日の出には、間に合わなかったが……

本当に久しぶりに、幸せな時を過ごせた……




帰りの車の中で、わたしは……

T子に、交際を申し込んだ……




彼女の、好きなシンガーは……

吉川晃司と、浜田省吾だった……

ドライブデートで、いつも掛けていた……




その年の、クリスマスのシーズンに……

南知多ビーチランドへ、遊びにいった……




イルカショーや、遊園地で……

一日たっぷりと、遊んだあとに……




彼女との、初めての夜を過ごした……

その日は、二人のお泊まりデートだった……

そして、T子も初めてであった……


窓の外には、月に照らされた……

薄暗い、砂浜が広がっていた……

目を閉じると、潮騒が聴こえてきた……

夜風に揺られ、少しベッドがきしんだ……




ユーミンの、「守ってあげたい」は……

T子の、好きな歌だった……

彼女は、七歳も年下だったが……

とても、大人びた所があった……




しかし……

楽しい日々は、長くは続かなかった……

あれは、まだ肌寒い夜だった……

三月のある夜更けに、電話のベルが鳴った……

彼女からの、別れの電話だった……




T子との交際は、半年続いた……

いや、半年で終わってしまった……

楽しかった、あの頃の思い出は……

そっと、心のアルバムに貼っておこう……




「貴方の優しい所が好きだった、でも……」

「貴方の優しすぎる所が、嫌いになったの」

「ごめんなさい……」




わたしは、バーボンをグラスに注ぎ……

苦い気持ちを、ロックで飲み干した……




わたしの、心の中で……

さびれた観覧車が、空回りしていた……

さよなら、T子……




🎇🎇🎇🎇つ🎇🎇🎇づ🎇🎇🎇く🎇🎇🎇