両手の親指が内に向いている男、、、、つまり、小指の次に付いていて、普通とは逆なのである。

彼は、他人との握手が嫌いだった。というより、出来ない、、、、手と手が触れ合っても、相手の、親指と人差し指の間に引っ掛らない為、握り返す事が叶わないからだ。

他人は、それを気持悪がった。彼もまた、傷付き、心を閉ざすと共に、両の手は常に、衣服のポケットの中に仕舞い込んでいるようになった。

彼の事を知らない初対面の人が握手を求めてくる場面でも、彼は手をポケットから出さず、無視した。

彼は他人を遠ざけるようになり、又、他人も彼に近付きたがらなくなる、、、、必然的に、彼は孤独だった。

ある日、一人の女性が彼の孤独を察し、近付いて行った。そして、何も知らぬまま、握手を求めたのだ。

例に拠って、彼はシカトを決め込んだ。すると、女性は差し出した手を引っ込めて、続け様、両腕を差し伸べるや否や、彼の身体を包み込むように抱き締めた。

彼はたじろぎ、全身の力が抜けて、後方へとよろめいてしまう、、、、体勢を持ち直そうと、彼は両の手をポケットから出し、バランスを保った。

彼は倒れずに済んだが、そのまま、暫時、呆然と立ち尽くす、、、、しかし、やがて、彼の両腕は無意識に持ち上がると、女性の背中の方へと回って、相手を抱き返していた





これが、西洋で、ハグの習慣が広まった事の、切っ掛けとなったエピソードだそうです(大ウソ)。