人間「神よ、どうか、我に、卓越なる力をお与え下さいませ」



ある男が必死に、天へ、祈りを捧げていたが、その場に、呆気なく、神が降臨する。



神様「男よ、どんな力が欲しいのだ」
人間「おぉ、神よ! 有難き幸せ・・・。しかし、“どんな力”と申されましても、、、、どんな力の種目が在るのか判り兼ねますので・・・?」
神様「“体の力”と“知の力”と“金の力”、スタンダードなのは、この三つだ」
人間「全部、という訳には・・・?」
神様「お前は、私と同等の、神になりたいのか?」
人間「いえ、滅相も御座いません! どうかお赦しを・・・!」
神様「全てを享けても、人間如きのポテンシャルでは、どうせ持て余すだけ、、、、一つにしておけ。それが賢明ぞ」
人間「はい・・・。でも、一体、どれを選んだら良いものか・・・?」
神様「一長一短が有ろう。“体の力”とは、健康と長寿、、、、但し、どんなに強くとも、ひもじくなれば、その資質を繋ぎ留める事すら叶わず、結局、衰弱するしかないだろう。“知の力”とは、覚悟と理性、、、、無論、どんなに賢くとも、永らえられなければ、その才学を働かせる事さえ能わず、起動しないまま、徒、朽ち果てるしかないだろう。“金の力”とは、富有と支配、、、、当然、どんなに裕くとも、聡しくなければ、その財貨を活かす事には向かず、何れ、失墜し、乾上がるしかないだろう」
人間「・・・では、“金の力”を所望致したく存じます」
神様「何故、それを択んだ?」
人間「他の二つは不要に御座います。神のお与え下さるであろう質量には、当然、及ばないでしょうが、“体の力”や“知の力”は、後の精進次第で、充分、身に付けられるものかと・・・。となると、無いのは“金の力”だけでして・・・」



神は首を振りながら、如何にも俗っぽく、嘆息を吐いた。



人間「何か・・・?」
神様「自分に無いのはだけ、、、、人間は、皆、そう言うんだ。少なくとも、私に、願い事を差し向けてくる輩は、な」