九太郎くんは、九九が苦手です。「意味が解らない」と言います。



「同じ数字なら、ただ足していくのは煩わしいし、合理的じゃない、、、、だから、“掛け算”を以て、その手間を省くんだよ」



と、学校の先生は説明しますが、九太郎くんは納得できません。



「“九九”の必要性を聞いてるんだ。一桁の値段で売ってる物なんて、殆ど無いからね、、、チロルチョコだって、十円だし・・・」



そんな九太郎くんを、一番上の兄で在る大我は、次のように諭します。



「お店に陳列してあるチロルチョコを、レジの所まで、一つ一つ持って行くのは、めんどうだろ? 五個、買うなら、五個、一遍に持って行くのが、実際、効率的な訳で、、、、そういう事だよ」



九太郎くんは、全然、合点が行きません。



「結局、精算の段階では同じじゃん!? “九九”を活用するって事は、つまり、記憶しているパターンに当て填めるだけで、、、、それは、計算じゃなくて、暗記だし、歴史の年号を覚えるのに似ていて、到底、算数の主体するところとは違うように、思う・・・」



こんな時、必ず、九太郎くんのお母さんが口を差し挟んでくるのですが、、、、



「あんたがミートボールを食う時、一度に、五個も、六個も口に入れて、頬張るのと一緒だよ」



どうやら、九太郎くん、、、、疑問は氷解したみたいです。