丁度、今の季節、、、、何年か前、女性と連れ立ち、とあるスーパーマーケットに寄った。

出入り口の所で、買物をした帰りの、パンパンに詰まったレジ袋を二つ、両手に抱え込んだ、見た目、七十歳過ぎの老翁と擦れ違う。大層、重そうにしていたので、少し気になった。

でも、僕と同行していた女性は目敏く、別の視点を以て、その老人を見ていたらしい、、、、遣り過ごす事なく、立ち留まり、老人の跡を目で追っていた。

老翁は、案の定、早くも疲れ果てて、路肩の縁石に、その腰を落してしまう、、、、これを見留めた途端、彼女は一目散に駆け寄ると、前置きなしに話し掛ける。



「あの~、お荷物、お持ちしましょうか?」



老翁は少なからず驚いて、次の瞬間には、反射的な対応として、恐縮する。



「いやぁ、それは申し訳ない、、、、少し休めば、大丈夫・・・」



彼女も引き下がらない、、、、性格的に・・・。



「ごめんなさい、気を悪くなさらないといいんですが・・・。半透明のレジ袋から、お買物された中身を覗き込んでしまいまして、、、、アイスクリームとかが殆どみたいだったので、このままだと、溶けてしまわないかと、心配で・・・」



老翁の反応は、、、、多少、意表を突かれたみたいだったが、然程、不快には感じなかったようだ。



「はぁ、、、、でも、ご迷惑でしょうし、甘える訳には・・・。第一、そんなに直ぐ、溶けるもんじゃありませんよ」



スーパーマーケットでは、大抵、ドライアイスとかを提供してくれる筈、、、、成程、どうやら、そういう考えの元、ドライアイスの類は活用しなかったようだ。でも、温暖化の影響か、昔とは違い、気温は上昇している訳で、以前の感覚を信じてると、残念ながら裏切られます、、、、経験上、あっという間に溶けちゃいますって・・・!



「確かに、市販のアイスクリームは固めに作られていますが、昼の、この時間帯だと、夕方ほどでは無いにしろ、結構、混み合っている筈ですし、大量に買われている点を考えれば、恐らく、時間限定の安売りが催されていたに違いありません。となると、当然、レジも混み合って、大分、並ばれたんじゃないですか? これは、アイスクリームを酷使するに当たって、相当なロスですよ」



説得材料としては充分だけど(それどころか、多少、行き過ぎの感さえ有る、、、、“アイスクリームを酷使する”って・・・)、、、、実際のところは・・・?



「確かに、仰る通りでした・・・」



決まり・・・。



無類のアイスクリーム好きとして、このまま、アイスクリームが無残な姿に陥るのを、黙って、見過ごす訳には行きません、、、、どうか運ばせて下さい」



拳を握り締めてまで、言う事じゃない、と思うが、、、、結局、僕は、彼女が老翁(アイスクリーム?)に付き添って、自宅へと送り届けるまで、待たされる事となった。

そして、十数分後、彼女は戻って来た、、、、手にはソフトクリームを握り締め、舐めながら・・・。



ソフトクリムお礼に貰っちゃったあはは



市販の物って、溶け掛けが美味いんだよな・・・。